調達・購買部門だけではありません。会社全体で今、ビジネスパーソンが直面する大きな変化に、どのように対処すべきなのかを考え、新たな取組みを実行する機会が到来しています。

今調達・購買部門に必要なサプライヤにまつわる変化も、対応の方向性を明確にして、進む手段を獲得すれば、まったく問題ありません。今、調達・購買部門に必要な3つ取組みをご紹介します。

取組1:重要サプライヤの再構築

まず「重要サプライヤ」とは、事業に欠かせない原材料や部品、サービスを供給してくれる大口のサプライヤ、具体的には一定期間の購入額の80%を占めるサプライヤを指します。この定義で御理解いただける通り、重要さを決定する「購入額」は過去の実績データです。これまで取引額が大きかったから、将来的にも重要「だろう」と仮定して成立する重要さなのです。この定義が成立するためには、過去と同じ需要が将来的にも継続する前提が必要です。問題は、過去と同じ需要を喚起するニーズが、今後も継続的に生まれるのかどうかです。

今、企業の休廃業数が高水準を保っています。いわゆる「倒産」と異なり、企業の経営者が自らの意志で事業継続を断念するのです。ここで1つ重要なデータをご紹介します。休廃業・解散企業の経営者年齢の平均年齢68.4歳でした。厳しい経営環境といっても、多くの企業が日本以外の国へ設備投資をおこなって事業を拡大しています。設備投資を支えるのは、なんといっても経営者の事業拡大意欲です。意欲が失われ、事業継続できなくなる年齢の平均が68.4歳です。最新のデータで、日本企業の社長の平均年齢は59.7歳だそうです。この2つのデータから導かれる仮説は、あと9年もすれば、今以上に多くの企業が「経営意欲減退」によって、事業運営を断念する可能性が高い、実に厳しい未来予想図です。今取引しているサプライヤが事業継続を断念する事態への対処が喫緊の課題です。

課題解決には、これまで調達・購買部門は、過去の実績を元にサプライヤの重要性を判断し、調達・購買戦略を立案してきました。全ての企業が事業継続意欲を失うわけではありません(そう願いたい)。しかし、今以上に過去や前例踏襲では、日々の発注すら危うくなる可能性が高くなることは明白でしょう。今、調達・購買部門は、過去の実績だけではなく、将来の事業継続可能性を踏まえたサプライヤ戦略が必要なのです。まずは事業の根幹を支える重要サプライヤが、将来的に事業を続けられるかどうかを厳格に判断しなければなりません。事業継続の可能性を、少なくとも購入総額の80%を占めるサプライヤは評価する必要があるのです。

取組2:取引関係を解消する方法論

サプライヤの事業継続可能性を評価すれば、継続できるサプライヤと、継続に疑念のあるサプライヤの大きく2つに分けられます。継続できるサプライヤには、これまで同様に口先だけではない真のパートナーシップの精神をベースにした良好な取引関係を構築します。問題は、事業継続に疑念のあるサプライヤです。現時点では問題ないし、自社にとっても欠かせないサプライヤ。しかし将来を見据えてよくよく検討してみると、大きく次の2つの理由で疑念をもつはずです。

Case1 需要動向が先細り、もしくはゼロになる
この場合、そもそも発注見通しが減少する、あるいはゼロになる見通しをもっているわけですから、需要に関係するサプライヤには、その旨を正直に包み隠さず伝えます。その上で、サプライヤの自助努力を促す取組みが調達・購買部門に求められます。バイヤ企業も、これまで売上を稼いできた事業の需要が減少するのです。安穏とはしていられませんね。だからこそ、不透明な未来の見極めをおこなうのです。見極めた結果は、サプライヤとも共有してサプライヤ自身で自助努力を促さなければなりません。サプライヤとの取引解消は、ある日突然の発注停止をもっとも避ける必要があえるのです。

Case2 サプライヤの先々の経営に不安がある
このケースでは、より深刻な事態を想定しなければなりません。将来的に需要もある場合は、より深刻な事態を想定しなければなりません。悩ましいのは、サプライヤの将来に疑問を感じている「理由」です。QCDにまつわる要求が満たされないのであれば、実務上大きな困難がともなうことは十分に理解できるものの、まだ対処しやすいですね。問題は経営者の経営意欲の減退です。

これは単純に経営者の「年齢」だけが問題ではありません。経営者が高齢者でも積極的な経営を実践して業績を残す企業もあるでしょう。しかし、休廃業する企業の経営者平均年齢から、社長が60歳を超えていると、リスクがあると判断されますよね。そして後継者がいない場合はなおさらです。

もし調達・購買活動の継続に不安やリスクを感じるなら、その払拭は必ず行う必要があります。そしてこれまたいきなり取引関係の解消とか、発注停止は避けなければなりません。これまでの取引による功績に敬意を表しつつ、サプライヤの名誉ある撤退の演出役を果たさなければなりません。そして調達・購買部門には、同時に果たさなければならない責任があります。

取組3:サプライヤ開拓

サプライヤの将来に不安を感じている場合、その不安が顕在化した場合に備える必要があります。理想的には、不安を顕在化させずに不安やリスクを払拭する取組みを実践しなければなりません。サプライヤの供給不安への対処方法は、サプライヤ開拓がもっとも適切な解決策です。既存のサプライヤが、不安・リスクのあるサプライヤの供給を肩がわりしてくれれば、と考えたりもしますよね。もちろんそんな考えもアリです。しかしサプライヤに事情を知られ、供給開始後に購入条件交渉で足下を見られ、対応に苦慮する事態は避けたいですよね。まず検討すべきは、購入ボリュームが多いサプライヤです。既存サプライヤで供給の目処がついても、後々の購入条件設定をラクにするために、サプライヤ開拓は欠かせない取組みなのです。

これら3つの取組みの具体的な方法論をお伝えするセミナーを企画しました。

「事業環境の変化に対応した
サプライヤ構成再構築を実現する
サプライヤマネジメントセミナー」

サプライヤ構成再構築」とは、現在のサプライヤ全体を俯瞰して、特に購入額80%を占めるサプライヤの事業継続可能性を担保し、持続可能な調達活動を実現し、サプライヤ起因の「サプライチェーン断絶」を予防する取組みです。

この取組みは、新しい取組みではありません。現在皆さんが日常的に行っているサプライヤマネジメントの延長線上にあります。企業によって、サプライヤマネジメントの取組みの深度には違いがあります。したがって、ゴールである持続可能な調達活動の実現/サプライチェーン断絶予防までの距離は、会社ごとに異なります。しかし、今の状態がどうあろうと、ゴールまで最短距離を走り抜ける方法をお伝え提供するセミナーです。

自然災害による「サプライチェーンの断絶」でも、サプライヤから供給がストップすれば、調達・購買部門は厳し立場に立たされ、対応には大きな苦難がともないます。今回想定しているサプライヤ供給の持続可能性問題は、現時点で予期できる事態です。自然災害と異なり、予測し対処できるリスクです。対応できる方法論があるなら、あとは実行あるのみです。それも最小の労力で実現する方法をです。

牧野直哉が行うセミナーは、全て調達・購買の現場で培ったノウハウを元に構成しています。コンサルティングやセミナー講師をしながらも、調達・購買の第一線で活躍する意欲ある皆さんとの交流を通じて、その手法のブラッシュアップを続けています。この点が、ただ英語の文献を翻訳し資料だけを作成するコンサルトは大きな違いです。調達・購買部門とバイヤーの「現場感」に敏感な私だからこそ実現できるセミナーなのです。

今回ご紹介する「事業環境の変化に対応したサプライヤ構成再構築を実現するサプライヤマネジメントセミナー」では、

1.サプライヤ全体から、事業運営に影響度の大きなカテゴリー/サプライヤに優先順位を設定し、サプライヤマネジメントの対象の「絞り込み」方法を学び、絞り込んだサプライヤ/カテゴリの持続可能性評価方法の獲得につなげます。

2.その上で、サプライヤとの円満な取引関係の解消法に言及し、具体的な実現方法をお伝えします。

3.取引関係を解消したサプライヤの穴を埋め、購入条件交渉への悪影響を除去、あるいは最小化するサプライヤ開拓手法を学びます。既存サプライヤの新たなリソース開拓方法も合わせて、効率的な実行方法を獲得します。

そして最終的には供給の持続可能性確保を目指し、必要な3つのアクションを日常業務の中で落とし込み、実現できるバイヤーとしてのスキル構築を目指します。

「一難去らずにもう二難」多くの調達・購買部門が、近年顕著な購入品の確保、納期遅れ対応に加え、持続可能な調達といった新たな課題に苦慮する中、新たなテーマでサプライヤマネジメントに取り組む時間のないと嘆きの声が聞かれます。このテーマの悩ましさは、現時点ではまったく問題ない点です。しかし、日々の激烈な仕事のなかで、サプライヤ供給の持続可能性に一抹の不安を抱えているなら、そして何よりも自分たちの事業が大きな変化に直面するのなら、このセミナーに出席する意味は十分にあります。

いや、ここまで読み進めていただいたのなら、きっとテーマには関心をおもちなのでしょう。今回のセミナーには、際立った特徴があります。

出席する皆様の置かれた状況を踏まえて、

✔ できるだけ短時間に
✔ できるだけ簡単に実践可能な方法論

いうなればセミナー受講の翌日からすぐに使えるノウハウをお伝えします。お伝えするノウハウは、

1.サプライヤの評価
2.評価結果の活用法
3.サプライヤとの取引解消法
4.サプライヤ開拓

が含まれます。

☆開催概要
日時:2019年10月11日 (金) 13:00〜17:00
価格:40,000円(税抜き)
会場:東京都内(御出席の皆様にお知らせします)

講師:牧野直哉

2019年8月1日 オフィスにて

●なぜこれほど効果的で実践的なセミナーを開催できるのか

1.20年以上の調達・購買の実戦経験
伝統的な日本の大企業と、外資系中小企業、まったく購買力が異なる2つの企業の購買経験がベースです。まさに調達・購買の現場で起こっている現実が原点です。

2.経験論を「理論化」
調達・購買部門での経験だけではなく、実際に学びの現場でもセミナーや講義を実践。海外、特にアメリカではビジネスパーソンが大学で実践的な講義をする例は珍しくないかもしれませんが、日本国内の調達・購買領域でビジネスの現場と学びの現場の双方で実戦経験を積み、かつ継続しているためです。

プロフィール:
未来調達研究所株式会社 取締役
神戸大学大学院経営学研究科非常勤講師


1969年東京生まれ 大学卒業
・重工業メーカーで発電プラントの輸出営業を経験後、資材部へ異動し、購買業務に従事。現在に至るサプライヤリレーションの礎を構築(初のサプライヤミーティング開催等)
・外資系機械メーカーで、アジア太平洋地域のサプライチェーン管理を担当。集中購買を徹底しサプライヤー数8割で購入額の9割の購入を実現
・神戸大学ではトップマネジメント講座の調達購買分野を実施
・内閣府防災担当の策定する東日本大震災後の企業/サプライチェーンの防災対策へのアドバイス
 著書:
「調達・購買戦略決定入門」「大震災のとき!企業の調達・購買部門はこう動いた―これからのほんとうのリスクヘッジ」「ほんとうの「調達・購買」実践マニュアル-社内の「まあいいや」業務を変える知識とノウハウ-」「製造業の現場バイヤーが教える! 調達・購買部門の<業務力向上>完全ガイド」(日刊工業新聞社)
「購買・調達の基本と仕組みがよ~くわかる本」(秀和システム)

■セミナープログラム
 
トピック1 サプライヤの現在と将来 2つ評価法
【本章の概要】サプライヤの現在と将来を評価する実践的方法論を学ぶ
(1)サプライヤの現在の「貢献度」を評価する
(2)サプライヤの将来の「可能性」を評価する
(3)現在と将来を掛け合わせたサプライヤ評価法
(4)現在と将来のサプライヤ管理モデル

トピック2 穏やかなサプライヤとの取引解消法
【本章の概要】禍根を残さないサプライヤと取引解消法を学ぶ
(1)サプライヤの事業継続性を見極める
(2)サプライヤへの事業継続可能性確認方法
(3)取引解消 サプライヤコミュニケーションプラン策定
(4)こんなときどうする?

トピック3 いまどきサプライヤ開拓法
【本章の概要】効率かつ効果的なサプライヤ開拓法を学ぶ
(1)自社ニーズの明確化
(2)発注範囲の見極め
(3)サプライヤ開拓に欠かせない外部リソースの活用
(4)サプライヤ開拓具体例

 

●セミナー出席後の具体的な想定効果
 
調達・購買部門は、サプライヤからの供給に責任をもたなければなりません。このセミナーを受ければ「継続供給確保」へどうアプローチすべきかが理解できます。そして継続供給確保を継続する方法論の、日常業務における実践方法が理解できるはずです。

 

持続可能な調達活動の実現/サプライチェーン断絶予防」をスタートさせる実践的なノウハウを獲得する
濃縮した時間をお約束します

追伸1
このセミナーは、不安に苛まれていたけどその払拭になかなかきっかけがなかった方を対象にしています。気づかずにサプライヤの将来性から目をそらしていた現実の改善に足を踏み出していただき、まず自分が納得、次に上司と部門が納得、その上で社内関連部門を納得させる術学び、調達・購買部門の手で持続可能な調達活動の実現/サプライチェーン断絶予防を一刻も早く実現していただきたいと強く願っております。

追伸2
したがって、できるだけ多くの知識やノウハウをお伝えします。実践は会社や御自宅でおこなってください。そのための特別なフォロー方法もセミナー中に御提案します。私は実務家であるバイヤーの皆さんに、真の安心を実感していただきたいと思っています。

ご出席いただければ、
行動できる「ノウハウ」と「ツール」が手に入ります

最後までお読みいただき、有り難うございました。