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「どうやって安くするか」より「どうやって安いものを使うか」を考える
「コスト低減実績報告会」というものをどんな会社でもやっています。
どのようにして今年度に各バイヤーがコストダウンに成功したかを、プレゼ
ンテーションするのです。
そこには技術的な手法から、泣き落としに近い交渉術や、精神的な心構えま
で、色々な手法が報告され、購買の中でほめあっているのです。
私はこのような報告会に常に違和感を抱いてきました。
なぜなら、ここには「高い」と前提にされているものを「いかに安くするか」
という視点のみがあるからです。
「最初から安いものをいかに使うか」、という視点で論じられることはほとん
どありません。
おそらく、伝統的な購買部門であれば、それは設計者が考えることであり、
たとえ安いもので設計されたとしても「購買の手柄」ではなかったのでしょう。
購買は設計者が決めてきた部品や仕様をいかに安く買うかだけに注力してき
ました。
しかし、考えてみれば当然ですが、 100円のものを頑張って 90円にするよ
りも、そもそも 50円のものを使った方がいいに決まっています。
たとえ、それが 49円にしかならなくても、原価上は遥かによいのです。
おそらくこういうことを言うと「とは言っても、そういうことを評価してく
れないんだ。ウチの部署は」などと反論してくる人がいます。
しかし、その中のほとんどは設計者にそのような提案をしたことがなかった
り、そのようなサプライヤーからの提案を聞くこともなく、「このコストを何で
もいいから下げてくれ」と言っていたりします。
自分が設計するつもりでモノを買うだけでも、間違いなく視点は変わります。
劇的な購買になるために
「自分が設計者になったら」を意識しよう