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「数を纏める」事を考えるバイヤー
「数もまとまらないし、これ以上のコストダウンは難しいよ」
これって比較的どんな会社でも、バイヤーの口からでる言い訳の常套句ではないかな?って思う。事実そういった面もあることは理解できるけど、最初から最後までこういったスタンスだと、社内的な関係部門との距離感は、どんどん広がってしまうような気がしている。
「数がまとまらない」という場合、バイヤー的には一番楽な、同一仕様の製品の繰り返し購買を志向しての発言となる。バイヤーだけでは何ともならない部分はあるものの、一般的に言われる「多様化」である今の状況を考えれば、同一仕様の製品を売ることは至難の技だ。一番の理想は、お客様には個別のカスタマイズで対応して、買う側はできるだけ仕様を統一した製品を購入する。多様な製品を製造する源泉を社内に求める事。しかしそんな手品のような話を実現するは、簡単ではないし、モノによっては不可能かもしれない。それくらいに困難を極める、尊い付加価値だと思っている。
社内にそんな付加価値がなくて、一点一点すべて仕様も違う様な購入を強いられるバイヤーには、そりゃ同情する余地も有る。でも、仕様だけでなく、金額ベースだったり、期間限定だったり、いろいろな「まとめ方」というのは存在するわけで、一方的にずっと「数がまとまらない=安く買えない」をバイヤーが主張するのは、私は得策でないと思っている。
この考え方の成立には、売りにくい商品を一生懸命に売っている営業の存在も不可欠。下がらないコスト、縮まらない納期、顧客満足もままならない品質があっても、何とか売ってくる営業の存在がある場合、「数がまとまらない」事だけを声高に主張するバイヤーは、とっても滑稽な存在となる。思うように売れない原因を「高い」とされ、購買部門が槍玉に挙げられる不条理さを感じているときと同じように、である。
よく考えてみる。「数もまとまらないし、これ以上のコストダウンは難しいよ」バイヤーがこの言葉を発するのは、よくよく考えた上での発言の場合もあるが、大抵の場合、こう言うのが一番楽だからじゃないか?と思うのだ。