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『時は金なり』の能天気さ
「つべこべ言わずに、値下げしろよ!」
企業の調達・購買部門とは、恫喝とハッタリを繰り返す人たち、というのが一般的なイメージだろう。しかし昨今、この調達・購買部門の意識に変化が生じている。
それは、次の三つのキーワードで表現できる。
(1) プライスからコストへ
(2) 戦略的癒着
(3) 手間隙調達から能力調達へ
いずれも、これまでの調達・購買像とは異なるものであり、これまでのような買い叩きだけの調達・購買部門からの脱皮を示している。
(1)によれば、販売価格さえ安ければ良いサプライヤーということにはならない。生産体質までつっこんで、本当に安価な製品を作ることができる生産体質を有するかを、買い手企業が確認し始めることになるだろう。
(2)は、買い手企業が、むやみに多数のサプライヤーとつきあうのではなく、将来戦略を共有した上で本命サプライヤーのみと集中した取引を実施するということだ。
また、(3)は、サプライヤーを単なる外注先とみなすのではなく、すぐれた部品設計力を提供してくれる対等なパートナーとみなすということだ。
これらの考えは、安さばかりを追求した果てに安定供給がままならなくなってしまった過去の失敗から出来している。ただ、中小企業のホームページを見る限り、残念ながら、買い手側の、この三つの潮流を理解しているサプライヤーはほとんどいない。
この三つを取り入れようとすればどうなるか。(1)では、生産体質の良さ、開発効率の良さをPRするページを挿入するだろう。(2)では、取り組んでいる先端技術を披瀝するだろう。また、自社の進む道を紹介したページが必要になるはずだ。(3)では、開発力や開発・テスト設備の高さを示し、買い手企業の負担を低減できることを、強くアピールするページがあるべきだろう。
人は、いつだって「自分が紹介したいこと」を紹介する。でも、プレゼンとは、なによりも「聞いてもらう」ものだ。