あなたから変化を起こし、社内で目立つ ~ 不条理と業務(2)

あなたから変化を起こし、社内で目立つ ~ 不条理と業務(2)

その後、納期問題で困っているのは自分たちではないだろうと考え、「Purchasing」「Sourcing」を扱う外国の文献を読み漁った。

すると、納期で困っているのは自分たちだけではない、ということが分かってきた。

トヨタのかんばん方式などでサプライヤーの製品出荷と自社の生産を同期させているのは超大企業だけだった。

多くの企業は納期問題に困りながら、なんとかなんとか自社の製品組み立てに間に合わせてモノを購入していた。

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そして、次の単純なことを実施するだけで、ものすごい効果があらわれてくることが分かった。

(1)契約書に「受領7日以内にこの納期で異論ないかを回答すること」という一文を加える。
(2)納期遵守率を表にして送付する。ランキングを貼り出す。
(3)納期遵守率が素晴らしいところには、その営業担当のアシスタントを通じてお礼を述べる。

本当にたったこれだけで効果が出てくる。

そんなの当たり前だ、という人も聞いて欲しい。

その「当たり前」にどれだけの意味があることか。

同時にその「当たり前」のことも多くの企業で実施されていないことも(だからあなたの企業で「普通に行われていること」がノウハウのかたまりなのだ)。

(1)を実施することで、悪い情報が早く集まるようになる。そのことで、自社内の調整も早くなる。また納期のフォローをせねばならない懸案も早期に明確になってくる。

(2)どれだけ自分たちが比較劣勢のサプライヤーかを知ることはおそろしく刺激になる。サプライヤーたちはバイヤーの口を通じて知らされる企業評価をある程度理解はしているが、定量的に知っていることはあまりない。

(3)はおそらく一番重要なのだが、営業担当のアシスタントを通じてお礼を言うことが大切だ。想像してみてほしい。「○○さん、またあそこのバイヤーの人が『納期守ってくれてありがとう』って伝言ありましたよ」と言われたときの営業マンの笑顔を。
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私は、スマートなバイヤーになるための戦略を皆様と考えたい、といった。その前言と矛盾するが、最後は人間は感情で動く。

アシスタントに「ああ、私と一緒に仕事してるこの人の仕事は、こんなにお客から感謝されているんだ」と思わせるか思わせないか、でその企業のあなたへの貢献度は全く違うものになる。これは理屈ではない。理屈ではない真実なのだ。

全てのビジネスパーソンは、自己の業務をなんらかの形で認められたい欲望にかられている。

私たちや彼らの仕事を否定するなら、前記のように、「なんだこれは!」「なんだこの仕事は!」という一言でいい。

しかし、あなたのためにこちらを振り向かせたいのならば、高級なロジックやお金は必要ない。

単に、「私のことを分かってくれる」という感情を持たせるだけだ。
「私の努力を分かってくれる」という感情を持たせるだけだ。

感情を使って、トップのバイヤーになってみよう。

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