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なぜ、海外調達が進まないのか
グローバル調達の初期段階として位置づけられる海外調達。日本企業では、古くは1985年のプラザ合意による円高移行によって、NIES(新興国工業地域)からの調達や、工場進出が進みました。
以降、度重なる円高移行局面の度に、海外調達の可能性が語られ、実際に取り組みが行なわれてきました。しかし、プラザ合意から数えて30年が経過している今日でも、海外のリソースを上手に活用できているケースは一部の企業に限られています。なぜなのでしょう。
●海外調達は投資
海外のサプライヤーを探すのも、実際にバイヤー企業の満足できるかどうかの確認をするにも、国内のサプライヤーとは比べものにならないほどに経費が必要です。実際に、購入が始まると、海外からの輸送費用や、不具合が起こった場合の対応に要するコストも、国内サプライヤーと違って、多額の費用が必要です。
●あ、うんが通用しない海外サプライヤー
国内サプライヤーであれば、国内の商慣習にもとづいて、購入条件の細かな詰めもソコソコにやっておけば発注できます。しかし、海外のサプライヤーはそうは行きません。できるだけ事細かに購入条件を決定しなければなりません。購入条件における「サプライヤー標準」など、もっとも避けなければなりません。国内サプライヤーに、なぁなぁの発注を行なっている企業ほど、海外調達の実践では苦労し、思うようにメリットが生まれないのです。
海外サプライヤーからの購入が進まない要因をサプライヤー側に求めるのは、調達購買部門にとってもっとも簡単です。しかし、日本国内の一般的な購入条件をベースに考えるとき、あまりにも抜けや隙の多すぎるケースが多いのです。そして、海外サプライヤーにも問題はあります。だから安いんです。その安さの理由は、日本と比べて様々なレベルで劣っている可能性によるものです。海外サプライヤーのレベルの判断も、海外調達を進めるためには必要な要素なのです。