グリーン調達のシステムとCO2排出量

グリーン調達のシステムとCO2排出量

昨今の調達・購買関係のシステムに一つの潮流がある。それは、各社の「CO2排出量を計測し、それをマネジメントする」というものだ。固有名詞はあえて省くものの、大手ベンダーから中堅ベンダーまで、さまざま入り乱れ、バイヤー企業へこのシステムを販売することに躍起になっている。

温暖化ガスが、ほんとうに地球温暖化に影響を与えているかどうかは定かではない。むしろ、多くの異論があるくらいだ。「温暖化ガス」という名称そのものが、地球を温めてしまうというイメージをもたせていることは間違いない。しかし、私が述べたいのはそのような「地球温暖化ガス影響疑惑論」ではない。それならば、多くの論者がすでに存在している。

私が指摘しておきたいのは、「CO2の排気量ばかりを計測したがる」姿勢にこそある。なぜか。人によっては、「温暖化ガス」とはCO2のことと思っている人がいる。それは違う。

地球温暖化の話題になるとき、「温暖化ガス」とはCO2のことだけではない。温暖化に影響するものは黒色炭素や窒素酸化物、HFCなど複数ある。CO2は、その一部にすぎないのである。

しかし、このことを知ってか知らずか、売り込みを受ける側のバイヤー企業も「CO2削減」のみを叫んでいる。ほんとうは、CO2だけではなく黒色炭素や窒素酸化物、HFCなどの気体を総合的に減らしていかねばならないというのに。CO2だけを削減することがイデオロギーになってしまうのは、あきらかに危険である。

CO2を減らすことを批判するわけではない。しかし、CO2削減とは一つの手法にすぎず、真の地球温暖化対策を講じたいのであれば、他の要因にも目を向けなければいけない。「CO2排出量を計測し、それをマネジメントする」システムの跋扈の裏で、私はそんなことを考えている。

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