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サプライヤーに肩入れしたとき・・・ 2
その図面は、明らかに既存メーカーの実績のある製品であった。そして図面と同時に提示された仕様書には
「図面に示された取り合い寸法を満足すること」
との一文が入っていた。そしてその資料は既にサプライヤーに提示された後であった。
機能性部品で、尚かつサプライヤー側で標準的なスペックの製品を持ち合わせている場合、その標準仕様の製品を使うことが、機能的にも満足し価格も安価であることが多い。機能対比ではお買い得な価格となるはずである。ところが少しでも自社向けの仕様を入れ込もうとすれば、当然特別な準備費用が加算されてくる。その特別な部分を標準品を使い倒して極力発生させないことが今回の開発コンセプトの一つではなかったのか?そういう理由で主導し、その主導に答えてきたサプライヤーの立場は?このときばかりはフェアーで無いと思った。信頼関係も何も合ったモノではない。
今でも忘れないが、その日は飲み会であった。結構楽しみにしていたのであるが、全く酔えなかった。確かに営業とは売り込むためであれば、見積も出すだろうし資料も、サンプルも出すであろう。時には歌って踊ることも必要かもしれない。その労力に報いることは、最低限のフェアーな競争環境を作ることではないか?当時の私はそう思っていた。しかし結果は、一方のサプライヤーに著しく有利な展開・・・いったいどうすれば良いのか?
結局、その不利なサプライヤーの置かれた条件を是正する様に、技術部門への再検討を申し入れることにした・・・が、気持ち的には明らかに検討することを面倒くさがった設計担当者を日本刀で一刀両断するくらいの気概を込めて・・・。私がこれまでのバイヤー生活で明らかにあるサプライヤーの肩を持った時であった。
最終的には設計部門の責任者が、私の上司に詫びを入れ、取り合い条件が削除された。X社とZ社のフラットな競争条件が整ったわけである。
今こうやって思い返すと、そのときに全く取り合いに自由度がなかった図面を書いた担当者にも何か理由があったのかな?なんて事も思える。今同じ事が起こったら?やっぱり同じように対応するかな?