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トクする話。考えないからバカなのか、バカだから考えないのか
先日、確定申告が終わりました。サラリーマンは無縁かもしれません。ただ、
私はサラリーマン時代から確定申告を行っていました。経費が控除額以上で
あれば、正しく申告すると税金が戻ってきます。しかし普通のサラリーマン
は自分の管轄税務署の住所すら知りません。私は、これまでずっと自分がバ
カだと思ってきました。だから、すべてを一つひとつ自分なりに実践して理
解するしかありませんでした。
たとえば税金にしても確定申告にしても、それぞれ何なのか知りたいと願い
ました。先輩たちに訊いても、あまり理解していませんでした。会社にいる
秀才たちは、自分があまり理解しないことも周囲にあわせていける才能の持
ち主です。会社のなかで労働組合運動も不思議な一つでした。労働組合の交
渉といっても、会社と賃金・賞与・ベースアップのことしか話しているよう
に見えませんでした。
これから書くのは私見であり、私は労働組合の歴史的役割をむしろ肯定して
いる者です。
さて、私が新入社員のとき「労働組合は雇用者の職場環境向上のためにある」
と聞かされました。ほんとうでしょうか。「もっと机を大きく!」「職場面
積を大きく!」「旧型OSではなく、新型OSに入れ替えろ!」などという
議題を聞いたことがありません。さらにいえば、労働組合が主張すべきは
「源泉徴収をやめろ。自分たちで税金を支払いにいくから」でしょう。
なぜ、こういう根源的な交渉がないのかいつも不思議でした。
労働組合のイベントで、土日に家族レジャーなどが計画されます。若手はそ
れに駆り出されて準備するわけで、まさに労働量が加算されたようなもので
した。しかし、あまりこの点にきづく若者も、あるいは声をあげる若者もい
ませんでした。私は一度、労組事務所に脱退をお願いに行ったのですが、
「雇用が守られない可能性がある」「賃金が低下するかもしれない」とおっ
しゃるので、「私のことでしたら、それでもかまいません」と申しました。
そのあと残留のお小言を聞いて、ついに根負けした記憶があります。
しかし、それにしてもこうやって書くネタになったのは、「人生すべてムダ
なことなし」ということでしょうか。繰り返すと、私は労働組合の歴史的役
割をむしろ肯定している者です。それにしても、労組の意義がなくなるくら
いになったとしたら、それは喜ぶべきだとも思います。いかがでしょうか?
私がこのエピソードで述べたかったのは、周囲がなんであれ、自分なりに考
えることと、そして疑うだけではなく実行にうつしてみる大切さです。あと
数日で今期は終わりますが、これ以降も純粋な好奇心を持ち続けようと、私
は思います。