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バイヤー「バカ一代」(2)
例えば、個人開業の医者の所得が高いと非難されることがある。
あるいは、個人事務所を持つ著名弁護士の年収が羨望の眼差しをもって語られることがある。
このとき、多くの人からは「収入と待遇の良さ」のみが注目される。
しかし、考えてみればどんなに良い待遇を得る可能性のあるそれらの職業であっても、基本的にジェネラルなスキルが要求されている。
金勘定と営業とマネジメントができなければ、潰れるほかないからだ。
その一方で、大企業や役所では、それらの能力が一部欠けているか、あるいは全く欠如していても「食うこと」はできるという意味で大変興味深い。
あっ、これも皮肉である。
特に購買畑のみを過ごしてきた人は、おそらくジェネラルなスキルを獲得する機会が少ない。
だから、意識して獲得せねばならない。
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こういうことをよく書くので、私のことを「大変厳しい人」と思っている方が多い。
だが、普段の私は物腰は柔らかく(だはっ)、礼儀正しく(だはっ)、相手の話をよく聞く(だはっ)。
ただ、重要だと思っているのは、各バイヤーが真に自立して「フリーエージェント」としての気概を持つことだと思う。
「自分はこの会社に机を借りて仕事をしている。会社と自分の立場は一緒。そして、課せられた仕事として、コストダウンをやり、開発をサポートし、新たな調達構造を創り上げる。いつまで働くかは自分で決める」。
こういうことを少しでも意識できれば、学ぶことはたくさんある。
ある物事を体験したときに、意識のないバイヤーは思い当たることすらなくても、意識が高ければそこから学べることはメモ何枚分にもなる(ちなみに、私は手帳とメモの使い方だけで一冊分の本が書ける自信がある)。
決算書の読み方から始まって、工程設計から、心理学、コストダウン手法、自分の売り込み方。
バイヤーだといって一箇所にとどまることはなく、そこには無限の高原が広がっている。
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狭い世界にとどまることなく、一人の個人として自立していくこと。
そこにはきっと相互尊敬がある。
バイヤーバカと、多くの技能を持ち合わせた中でバランスを持ち購買をやっている人。どちらが尊敬に値するかは自明だろう。
一番重要なのは、個人同士の相互尊敬であり、それは会社との関係でも同じことだと思う。
いつしか会社から捨てられて、そのときに自嘲を込めて自身の処遇を嘆いてみせても、そこにはむなしさだけがつきまとう。
そのとき、自分だけで生きる術も、稼ぐ術も持っていなければ、つつましやかに「ご愁傷様」と言ってあげるほかない。言いすぎですか?
バイヤーは、今こそ情報を発信しろ。そして、自分の価値を見極め、足りないところ、優れたところを把握しろ。
その果てにきっと購買革命がある。
「バイヤーは『そんなこともできないんですか?』と上司に言え!!」