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レアアース協奏曲のつづき
象徴的な報道だった。住友商事が米国のレアアース鉱山に進出を計画しているという。さらに、同時期に菅直人首相がトップセールスによってベトナムに原発二機を受注したというニュースが入った。
この二つのニュースを関連付けて述べるのは不遜だろうか。
これは仮説であることを前提に述べるけれど、私はここに米国の対アジア戦略の具現を見る。すなわち、レアアースも脱中国目指す、そしてエネルギーについても脱中国を目指すというアメリカ戦略のことである。
エネルギー分野でもっとも肝要となる原発を日本に受注するとなれば、アメリカの企業とセットにならざるをえない(御存知の通り、日本の原発メーカーとアメリカの原発メーカーは密接な関係がある)。となると、知らぬ間にアメリカの傘の下に入ることになる。
もちろん、これは仮説ベースである。
やや陰謀史観的な話だけれど、ここにはアメリカ対中国の覇権争いの構図が透けて見える。私は陰謀史観を好まない。それに、純粋な経済的要因が大きいことは認める。ただ、より俯瞰したときにそのような仮説も私には魅力的に映る。
さて、アメリカの対中戦略、対アジア戦略が、もしそうだとして、日本の戦略はそれに合致しているだろうか。おそらく、そんなことは考えていない、というのが本音ではないか。
アメリカも中国もかなり戦略的なエネルギー争奪戦に身を委ねている。そこで日本は無策のまま佇んでいる。
私は思う。
もしかすると、これこそがほんとうの資源危機なのではないかと。