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レアアース輸入はどの程度問題か
中国人船長の捕獲問題で、中国側がレアアースを日本へ供給しないように仕向けている「らしい」。なぜ「らしい」と書いたか。それは、建前上は共産党政府の指示ではなく、あくまで業者の独断によるものと「されている」からだ。ああ、中国を語るときって、ややこしい。
さて、政治問題については私の趣味ではないので書くのを止めておこう。私が書きたいのは、このような報道が流れたときの日本人の対応である。おそらく、それは二種類に分かれる。「中国ってのは、フザけているよな。こんな意地悪しやがって」という勘定優先型。「でもさあ、日本は資源がないんだから、中国と仲良くやらなきゃダメだよねえ」という現実優先型。しかし、この二つから次なる一手は出てこない。
当たり前だ。怒るだけ、であっても、現状追認であっても、それが何のリアクションにつながることもない。
では、ここで一つの事実を指摘しておこう。実は、中国は日本からしか買えない製品を多数輸入している。日本は、中国から安い労働力や資源を購入しているというイメージばかりで、逆に日本が中国の調達先であることを失念してしまう。
たとえば、セラコンやチップ抵抗等の電子電気部品。あるいは検査機器等の工程使用設備は、日本のメーカーの技術力に依存しているところが大きい。なぜナショナリストならば「資源を売らないなら、日本だって電子電気部品を売らないぞ」程度のことを言えないのだろうか。
もちろん、私は他国へそのような扇動と恐喝を好むものではない。重要なことは、すでにグローバル経済は単品のみの利権争いの段階ではなく、多層にからみあったバーター取引で成立しているということだ。
ナショナリストであっても、リベラルであっても、その観点を忘れてはならない。
それに、ほら、そう考えると日中問題も冷静に見ることができるでしょ。