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三菱重工のスゴイ技
おそるべし、である。先日のニュースを見て感じた。
三菱重工業は、本社での集中購買を開始する。品目は、鋼板やネジ、潤滑油などの各拠点で共通に使っているものだ。これまで分散していた購買を一括に変更することによって、価格を抑えていく。
いや、別に驚くに値しない、という人もいるだろう。しかし、驚くべきは、コスト削減額だ。なんと、それは年100億~200億円のコスト削減だという。この衝撃はおそろしい。
というのも、1割削減としても、逆算すれば1000億~2000億円の対象金額となる。さらに、2割だとしても500億~1000億円だ。これほどまでに多額な量をまとめようとしているのだから、現場のみなさまの苦悩が透けて見える。
集中購買とは古くて、新しいテーマである。それは「ボリュームディスカウント」だけを狙ったものではないだろう。集中による効率化と、付随する標準化によっても、このコスト削減金額を狙っているに違いない。
集中購買を進めようとすると
・各拠点からの軋轢
・仕様の統一(購入品コードの統一)
・サプライヤ統一
などさまざまな問題が噴出してくる。それらを一つひとつ解決していく先にしか成果はない。それを成し遂げると宣言したわけだから、期待せずにはいられない。
そして、そのような細やかな技の集結こそが、日本ものづくりがもっとも得意としている領域だろうから。