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世界の経済と日本の経済は乖離しているのか
先日の報道によると、グローバル企業のCFO等の71%が「今後1年以内に世界の景気が上向く」と回答したという。これは、2009年の同調査の18%を4倍ほど上回る結果になっている。
その一方で注目するべきは日本の同様調査の結果だろう。日本の財務責任者たちのうち、「景気は回復する」と答えた割合がわずか48%にとどまっている。世界は回復、日本は停滞というわけだ。
もちろん、質問のニュアンスの違いもあるし、日本人特有の「将来へ不安を感じやすい性格」というのも影響しているに違いない。しかし、日本経済の状況を見るに、たった48%のみが「景気は回復する」と答えたのはわからないでもない。むしろ、48%もそのように答えたのは、多いともいえるのではないか。大半の経営者・サラリーマンたちの実感は「不況真っ只中」であり、とても明るい兆しなど感じ得ないからだ。
日本人の平均資産は3900万円とも言われる。死亡時にも3400万円ほどは保有している。その多くは不動産(上物含む)である。大半はキャッシュではない。とはいえ、多額の資産を「持ったまま」死亡してしまうのは事実であり、日本人は「いつか来る危機」に万全の備えをしたまま、資産を活用することなく死んでしまう。
私は日本人の性格的特性のみが経済実態に反映されている、といいたいわけではない。ただし、その要因も一部にあるということを述べておきたい。景気浮揚は要するに「人々がお金を使うこと」に源泉がある。どんなに世界経済が好景気になろうとも、内需を喚起できない国の将来はとてもあやうい。
メディアは連日のように日本経済の危機を伝えている。たしかに、内需がしぼんでしまった現在、その「危機」という言葉はふさわしいかもしれない。ただ――、こんなときにこそ危機を忘れさせるような報道が聞きたい。お金を投資することによる効果と、それによる喜びをこそ、聞きたい。おそらく人生の喜びのうちかなりの部分は「お金を使いすぎてしまったこと」に形作られているだろうから。