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中国から帰国したバイヤー
すっかり中国から帰国して、日常業務に戻っている。
最近の出張には珍しく(?)多忙な出張で、ホテルの部屋では泥のように眠る日が続いた。出張中にもブログに書きたいネタはたくさんあったにも関わらず、約一週間ぶりの更新である。まず中国滞在中のニュースから二つ。
一つは、昨年日本を騒がせた餃子事件の犯人逮捕のニュースだ。いろいろな憶測を呼び、風説が飛び交った事件であったが、報道を読む限りにおいては、製造メーカーの従業員による待遇への不満が原因となっている。このニュースに関するバイヤー的視点での考察は、ほんとうの調達・購買・資材理論の増刊号で書いているので、ここでは多くを述べない。が、この事件は我々バイヤーに品質管理の点で大きな問題を突きつけているといってよい。中国メーカー=安価=品質悪との単純な図式で語れる事件ではないのである。餃子が日本の消費者の口に届くまでに携わったバイヤーがいったいどんな品質確認をおこなったのか。そのことへ思いを馳せるとき、一方的に中国にある製造メーカーを攻めるわけにはいかないのである。
そしてもう一つ、Googleの中国での検索事業からの撤退だ。私は @ryomaskmt でTwitterでもつぶやきをおこなっているが、iPhoneでもパソコンでも一切つぶやくことができない。Twitterでは英語の次に日本語でのつぶやきが多いらしいが、中国でつぶやけるようになれば、GDP同様に日本語の二位の座も危ういのはずだ。
私は、無料・有料に関わらずGoogleのサービスを使用している。実は、検索以外でも中国でネットに接続した場合に、アクセスできないGoogleのサービスはある。それがどのような意図を持つものかは私自身想像もつかない。百度(Baidu)という中国の検索サイトの発展を願ったゆえの行動かな、なんてかんぐってみたり。
ただ今回のGoogleの決定にも不可解な点がある。Googleが提供するサービスとはあくまでも検索結果なので、その先のサイト接続に関する中国当局の関与が撤退の理由になるのか、という点だ。そしてもう一つ、キーワードに関する検索による結果の表示順位の決定方法は、Googleから明らかにされていない。一部には言論の自由を守ったとのGoogleへの賞賛があるようだが、もしほんとうに言論の自由を守る砦とするのであれば、検索事業を継続し、検索結果への規制や、サイバー攻撃の事実を淡々と発信し続ける方が得策ではないだろうか。なにか本件は、政府同士の対立の代理戦争の体をなしているように思えてならない。
ともかく、世界最大数の人口を誇る国からの撤退だ。今後、どんな進展を見せるのかがとっても興味深い。