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中小企業は中国を目指す
かくも経済理論通りに動くのか――。
そう思わざるをえなかった。先日の報道によると、神奈川県内の中小企業が中国進出に熱心で、多額の投資を始めたという。その理由も、清々しい。「仕事があるから」。
取引先が海外生産を推進している以上は、その下の中小企業が追随せざるをえない理由はあるだろう。しかし、どちらかというと、「乞われて進出した」のではなく「進出しないと生き残れない」という面が大きい。
これまで、どちらかというと、「海外に仕事が逃げて、窮する日本中小企業」と「海外に発注を移管する日本大企業」という構図があった。しかし、どうやら、中小企業内でも、将来を考えて日本を(悪くも良くも)見捨てるところがでてきたらしい。
これは経済理論そのままである。
仕事がなければ、なんとか国内産業は頑張ろうとする。「付加価値をつけろ」「生産性をあげろ」。しかし、そののち、やはり行き詰まり感が全体を襲い、選ばれる道は「海外シフト」と「産業の崩壊に伴う新たな産業への脱皮」のどちらかだ。
IBMはパソコン事業を中国に売却したことがあった。あのとき、IBMが敗れ、中国(レノボ)が勝利したという報道がなされた。私は違うとおもう。おそらくIBMは意図的にパソコン事業を捨てたのであって、そこからアプリとコンサル、ソフトに特化した新たな産業を創り上げた。
日本はどうやら、そのように産業の破壊と新たな産業への脱皮は選択肢ないらしい。あくまでも海外シフトの感が強い。それは選択肢の二つの一つではある。経済理論のまま選ばれたその選択肢が、日本の未来をどのように彩るかはわからない。
ただしいえることは、日本は二つの選択肢のうち、ある一つを選ぼうとしているということだけである。おそらくその結果がわかるのは、5年もかからないだろう。