- ホーム>
- 最強の調達・購買スキルアップ講座>
- 交渉の奇策
交渉の奇策
私は、過去に一度だけ奇策といえる交渉を仕掛けられた経験を持っています。たった一度の経験だが、忘れがたく今でも様々な教訓を与えてくれる経験です。
担当していたサプライヤーの営業担当幹部が「ふらっと」アポもなくやってきて、懸案となっていた価格の話を一方的に始めたのです。最初は驚きました。普段話をしている営業担当者でなく、滅多に会わない方が来られたので、心から「どうしたのですか?」だったのです。
当時、私を大いに悩ませていた案件だったので、いわゆる交渉の準備は、万全でした、。したがって、当然の来訪で、驚きのなかでも、しっかりとした話ができました。突然の来訪によって、自社に不利な条件で押し切られる事態にはならなかったのです。
唐突な訪問と、予期せぬ交渉が終わり、報告書を作成しながら、起こった事態を振り返ってみました。たまたま思いをめぐらせて考えていたので、事なきを得ました。しかし、何もしていなかったらどうなるか。もちろん、突然の来訪ですから、時間がとれないと会わないとの手段も有りです。しかし、相手の職位が、断わるよりも先に「どうしたんだろう?」との思いをかき立て、会わないとの手段を打ち消していました。これは重要な反省点です。会わないという選択肢が、適切な意志決定にもなるのです。そして、突然の来訪に備えるためには、日頃の準備を怠らずに行なうことが重要であることを身をもって感じたのです。