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交渉はバカがやること、と考えることから始まる購買革命
バイヤーの能力として古くから考えられているものに「交渉力」があります。
「あの人には交渉能力があるよね」と言われては、サプライヤーを脅したり、
巧みに泣き落とすバイヤーが羨望の目で見られることがよくあります。
そして、誰もができなかった条件をそのバイヤーが引き出すことで、ますま
す注目されるようになるのです。
しかし、考えてみればなぜそのバイヤーは交渉をするのでしょうか?
「モノを買う」際に、見積もり依頼をして、相見積もりを取り、最安値のサ
プライヤーに発注していれば、交渉の必要などないはずです。
交渉が必要だとすれば、それはその一連のプロセスが上手くいっていない、
あるいは不備が多かったからだと言うことはできないでしょうか?
現在多くの日本企業の購買が抱えている問題は、まさにここにあります。
まともな RFQ(見積もり依頼 )や RFI(情報提供依頼 )が当初に書けていないの
で、要件不足が重なりサプライヤーに対する基本条件の提示ができていないの
です。
条件提示ができていないから、本来であれば発注を決定すべきでなかったサ
プライヤーに受注させてしまい、結果として後処理に追われることになります。
このアンマッチはバイヤーにとってもサプライヤーにとっても不幸なことで
す。しかも、多くの場合そのジレンマをバイヤーは交渉という「上下関係をフ
ルに利用した抑圧」によって解決しようとします。
あるいはサプライヤーも将来の不測の事態をリスクヘッジするために最初か
ら高めの見積もりを提示してくるでしょう。
結局まわりまわってコスト高になる。
いつまでバイヤーは交渉力に頼った不合理な購買活動を続けるのでしょうか?
劇的な購買になるために 交渉力を自慢するのはやめよう。