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今のままのキャリアでいいですか?~裏方の部署でもやれることがある(2)
あなたは価格の後伝えによってさらなる価格交渉も可能となるだろう。
これは交渉「術」ではなく、単なる「プロセス」に過ぎない。しかし、このプロセスを守るだけで、今まで「高尚」に語られてきた「交渉」術を打ち破ることができるのだ。
さらにいえば、この交渉プロセスは、昔から多くの有能なバイヤーがやっている定型的なものだ。しかし、この程度のことを知らない人がなんと多いことか。
単純なことだ。
「いったん譲歩すると、相手は次々にさらなる譲歩を求めてくる」。
以前、私は会社外で、仕事をしたことがあるのだが、そのときもまず自分への報酬に対して「おいくらですか」と訊くようにしていた。そうすると、相手も見栄があるのか、なかなか安い金額はいわないし、安いと感じたらそこから自分の有利なように交渉を進めればいい。
この号のサブタイトルは「裏方の部署でもやれることがある」だった。
多くの若手バイヤーはこう思う。
「このキャリアにならない仕事をいつまで続けようか?」
「誰がやっても一緒な仕事を俺がやる必要などあるのか?」
「価格なんて交渉でなく、外部要因で決まるものさ」
「仕様も価格も設計者が決めてしまって、ゴミ掃除みたいな仕事しかないな」
「もっと派手な仕事と思っていたけれど・・・地味なことばかり」
しかし、あなたは上記の簡単なプロセスであっても試行錯誤したことがあっただろうか?裏方の業務であることのみに卑屈にならずに、自己の業務範囲で可能なことを必死に努力しようとしただろうか。
そして自分しかできない交渉のプロセスを確立することができていただろうか。
上記のボヤきをいつも言っていたのは以前の私だった。
おそらくどんな優れた手法でも、それを自分に身に付けさせるためには、愚直に繰り返し繰り返ししていくしかない。その末に、自分に合った交渉の定型を発見していくことができる。
バイヤーの仕事は多くあれど、やはり最も重要なことは「安いコスト」でモノを買う、ということだ。
そのことがバイヤーという業務の存在意義のようなものだ。
そうであれば、まずはその技能を身につけるべく必死になる必要がある。
上記の例のように、どのようなプロセスで有能なバイヤーがコストを下げているかを研究し、何度もトライしていけば、間違いなくそのバイヤーの技能は向上する。間違いなく、そのバイヤーの市場価値は上がっていく。
「こんな仕事くだらねぇ」という前に、「末端の仕事だ」という前に、まずは自分のやるべきことを見つめなおしてみよう。
裏方の部署でもやれることがある。