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作業着それとも背広?
メーカーでバイヤーをやっている人なら分かると思う。作業着で仕事をするか、それとも背広で仕事をするかという問題。
私のいる会社では、工場勤務のバイヤーは作業着を着て仕事をしており、本社勤務のバイヤーは背広を着て仕事をしている。これは選択の余地がなく、服務規程で決まっているものだ。
しかし、どちらが好きということになると、人それぞれだ。
以前仕えた上司は、作業着が大嫌いだった。「ネクタイをしないとやる気が出ない」のだそうだ。本社から工場へ異動になった時に作業着を着るのが実に嫌だったと話していた。大学を出て「ホワイトカラーのサラリーマン」になったつもりの人が、作業着で仕事するのには抵抗があるのかもしれない。
私はというと、作業着が大好きだった。汚れを気にしなくてもいいし、第一あの大嫌いなネクタイをしなくても良い!(余談だが、工場勤務をしている間は背広を出張用にしか使わないので、夏冬一着ずつしか持っていなかった。実に経済的だった。)
以前労務担当に、なぜ事務職も作業着を着るのかと聞いてみたら、「現場との一体感」を醸成するためと言っていた。確かにそれはあるだろう。
でも、バイヤーという職業を考えた時、作業着を着る意味はやはりいつでも現場に入れるようにということなのではないか。現場を離れてはバイヤーは成り立たないからなのではあるまいか。
今もバイヤーと自称してはいるが、作業着を脱ぎ捨て、背広を着るようになった時からバイヤーでなくなってしまった部分があるのではないか?それはいつでも現場に入れるチケットを無くしてしまったということなのではないか?
海外で駐在員として活躍する後輩から、工場へ行く機会が頻繁にあるので作業着を購入して送って欲しいと言われた時、ああ、こいつはプロだな!と訳もなくうれしく思った。
論理ではない、そういう感覚も大事にしたい。