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価値と無価値、感動と無感動(2)
私は最初に、製品の価値が分からずに旧来の尺度で製品を見ようとした失敗例を書いた。
まさに今、労働の形態が変わろうとしているのだ。
これまでのような単純な時間売りの報酬形態はなくなっていく。
これからは、価値をいかに創造できるかが重要になってくる。
バイヤーに当てはめるならば「もうコストを下げるだけの購買はいらない。これからは価値を見つけてくる購買が必要だ」となる。
コストだけではなく、将来の製品価値を査定でき、それを社内に提示できる能力が求められているのだ。
通常のコストテーブルで原価をはじくと2000円もしないような製品でありながら、売価は4万円もしてしまうコアチップの先進性を自ら受け入れ、自社の最終製品の魅力度すらも左右させるような心眼が必要なのだ。
これは言いすぎだろうか?
それとも単なる妄想だろうか。
笑ってはいけない。
誰もちょっとやればできるような仕事であれば、確実に東南アジアにシフトしていく。
労働を奪われるのがブルーカラーだけのはずがない。
そんな時代がすぐそこまで来ている。
・・・・
これまでバイヤーが他部門に勝っているのは、たかが英語力と多少契約書の知識が分かることだとされてきた。
そんなものは英語と契約が当たり前になった今、なんの優位性も発揮しない。
それに今の時代、英語が話せる設計者などいくらでもいる。
これからは、バイヤーそれぞれが人生的蓄積の中で培った、「自分にしか分からない価値」を市場の中から探せ。
そして、その「価値」がいかに自社の最終製品につながっていくかをこれまで以上に真剣に考えろ。
自分にしか見つけえない価値を購買という形で自社に引き入れ、自社の製品として昇華させ、社会に出回ったとき。
それは、バイヤーという個人を訴えるということにほかならない。
自分の感動を、大きな大きな世界の中で具現化するということにほかならない。
「バイヤーは最適購買から感動購買を目指せ」