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倒産危機に瀕しているサプライヤーからの購入品をどうするか
20年近くバイヤーをやっていると、望まなくてもサプライヤーの倒産に遭遇します。多くの場合、それは突然やってくるとされています。しかし、あらためて思い返してみると、それなりに予兆的な事象が見えていたケースもあります。問題は、そういったなんらかの予兆を感じとった時、バイヤーとしての行動です。
できる事ならサプライヤーの倒産には遭遇したくありません。そんな気持ちがあるからでしょうか、なんらかの予兆を感じ取っても、バイヤーとして見て見ぬ振りをしてしまう。正直にいいますけど、倒産対応で別のサプライヤーを設定するのは、とっても厄介です。そんな気持ちも手伝って、より見て見ぬ振りに拍車がかかってしまうのです。
もし、経営不安に関連するなんらかの予兆を感じ取ったらどうするか。必要最低限の関係者に状況を周知して、騒ぐことなく静かに対処を開始します。関係者には必ず口止めをして、情報管理は厳しく行ないます。
具体的な行動は、代替サプライヤーの設定です。倒産可能性の真偽は、探ってもわかりません。また、探ることで危機が顕在化する場合も想定しなければなりません。担当バイヤーとしては、今後の見通しをつかみたいはずですね。しかし、サプライヤーからなんらかの説明がない限りは、倒産可能性の確認はおこないません。発注候補先の設定だけをおこないます。
しかし、サプライヤーからなんらかの状況提供があった場合は別です。その場合は、申し出のあったサプライヤーの状況を踏まえて、できる限りサポートします。ただ一つ言えることは、倒産可能性の申し出があったサプライヤーが再生した例を、私は知りません。したがって、サプライヤーから申し出があった場合は、代替発注先の設定を早急におこないます。
とっても冷たい対応かもしれませんが、倒産するサプライヤーは、経営に何らかの問題があったわけです。心情的には理解を示しても、ビジネスライクに対応して自社事業への被害を最低限に留めることが、バイヤーの使命なのです。