利益は「率」より「額」をとれ!—1%より1円を重視する逆転の発想を読むバイヤー

利益は「率」より「額」をとれ!—1%より1円を重視する逆転の発想を読むバイヤー

坂口さんの最新刊。さっそく読んでみた。

 

利益は「率」より「額」をとれ!―1%より1円を重視する逆転の発想 [単行本]
坂口 孝則 (著)

 

私は、従業員が数万人で、自分が担当する製品の購買総額も数百億、サプライヤーとの価格交渉も、最後の一手に購入量を前面に出したボリュームメリットにより「額」を追求していた。額を勝ち取ることで、達成感、満足感を得ることもたまにはあった。

そして現在、従業員数でも売り上げ、そして購買額でも数百分の一となる企業で同じくバイヤーをしている。そんな会社を選んだ理由は、大きな組織をバックにした「額」を求めることより、「率」求めることが尊いのではないか、という考えによるものだった。そんな私の個人的な事情には、かなり挑戦的な題名だと思っている。

購入した本の帯には、こう書かれている。

現役バイヤーが現場で見つけた利益最大化のための6つの「逆説的」方法!!

この言葉は坂口さんのレトリック。実際の内容は、世間一般で漫然と言われている正しいといわれていることを、理論化して、なおかつ物語としてとても読みやすく表現している。読者に正しく理解してほしい、正しく理解した上で意志決定を行ってほしいと言わんばかりだ。それくらいに、毎日の仕事にまつわる話満載だ。

仕事に追われ、そんなことしてもしょうがないと思いつつ、安価な海外調達品を必要以上に期末に購入。調達部門の受け入れ基準による業績評価で、従来の国内調達品との差額をコスト削減額として報告。買った製品は、長期保管を想定せずに、実際に使う頃には錆だらけ……幾度、こんな過ちを繰り返したろうか。そんな苦い経験が思い出された。そして、なんでこんなことを上の人間はやるんだろうなんて思っていた。実際に調達したのは私なのに、である。

本文には、熱くなる経営者に冷水を浴びせる社員が登場する。社長の行った判断にはこんな側面もあるんですよ~と進言するのだ。そう、当時の私にはそんな本文に登場する経理社員的なマインドが足りなかった。いや、マインドだけではない、漠然と、おぼろげに、なんとなく「××だろうな~」というあやふやな理解でしかなかったために、冷静沈着な正しい意志決定を導くようなコメントを自分で生み出すことができなかったのである。

じつは私、この本を二冊買ってしまっている。予約受け付け開始とともにアマゾンで予約した上に、恒例の週末の本の仕入れでも買ってしまったのだ。そして今、その本をかつて私がなしえなかった、本文中に登場する経理社員がごとく、かつての上司に贈ることに決めた。きっと役立つはずだから。

 

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