売り込みを覚える

売り込みを覚える

ずっと購買(資材)部門にいる方が陥る錯覚として、「仕事は降ってくるもの」
ということがあります。

よほどの窓際族を除いて、世の中の大半は「仕事は取りに行くもの」である
はずなのですが、なぜか購買部門だけは世の中の常識をよそに「仕事が自動的
に与えられるもの」となっています。

会社に行けば、見積依頼が社内から届いていたり、発注書が設計部門から届
いていたりと、確かにバイヤーから何もせずに仕事はどんどん量産されている
ように思えます。

「思えます」と書きましたが、実際は「自分が仕事を見つけなくても、どん
どん仕事が来るものだ」とだけ思っているバイヤーがほとんどです。

したがって、どんどんバイヤー業自体が受身に変わってきています。意見を
言え、と言われても「設計者に訊いてみてから」とか「社内で調整して」とか
いう前提をつけなければモノも申せない体質になってしまいます。

自ら仕事を探す。自ら仕事を創り上げる。そういうことを私はいいたいので
しょうか?その通りです。

しかし、会社の中においてはそのような活動ができない、という場合もある
と思います。「購買は決められたことだけやっていればいい」という雰囲気があ
る場合もあるでしょうし、

「とてもこの硬直した企業風土では新しい仕事など自
ら創り出せない」ということもあると思います。

その場合は、単純に社外に出ればいいのではないでしょうか?

購買のプロフェッショナルとして、(もちろん機密情報は漏洩させない前提
で)スキルを発表する、ノウハウを売り出す、このようなことが現在ではかな
り容易になっています。そうすると、「売る」という行為の愉しさに気づき、そ
れが「買う」という本業に好影響をもたらしていきます。
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