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家族の虐殺問題②
出てくる愚痴は、「政治が悪い」「会社が悪い」「本社が悪い」「環境が悪い」ばかり。
でも、そう叫んでもマクロを一変させることはできない。
しかし、身近なミクロを変えていくことはできる。
少なくとも、変えるために努力することはできる。
家族が虐殺されるというレベルの危機感を常に抱き、調達・購買部員が一丸となって日々の仕事に取り組んだら、どれだけの変化があるだろう。どれだけの素晴らしい将来を創り上げることができるだろう。
必要なのは、たいしたものではない。少しの情熱、少しの勇気、そして少しの知識だろう、と私は思う。
同時に多くの人は、おそらく、本気じゃないんだな、と思う。「今大変なんですよ、給料も下がっちゃって」と言っているバイヤーは、現状を嘆くだけで、ほんとうに何かの変化が必要だとは思っていない。変えようと、一歩を踏み出すことができていない。
そう、本気じゃないのだ。
でも、本気じゃなくて良いのだろうか。ここで繰り返し書いてきたように、いま、たとえば日本の製造業は歴史的転換点にいる。そう思う。今後、円安誘導で多少企業の業績が改善したからと言って、それは小手先にすぎない(以前、拙著「利益は「率」より「額」をとれ!―1%より1円を重視する逆転の発想」に理論的に書いてみた http://amzn.to/bxwm6U )。産業構造の大幅な転換こそが求められている時期にきている。
焼け石に水の政策も、しないよりはしたほうが良いだろうが、根源的な問題解決ではない。
これまでのような、悠長なことは言っていられない。途上国は、劇的なコスト安価な労働力をもって、すぐそこまで日本を追いかけてきている。そうなれば、これまでの調達・購買業務も変化せざるを得ない。そして、これまでになかった、大幅なリストラクチャリングも経験することになるだろう。
変化のためには、自己宣言としての目標が必要だ。あなたは、「半年以内に10%のコストを削減する」という目標を立てるするだろうか。あるいは、「内製比率を劇的に下げ、50%以上を途上国へのアウトソーシングによってまかなう」という暴挙に出るだろうか。それらは、すべて過激と思われつつ、しかし、立てなければいけないかもしれない。
変化が必ずしも良い結果を生むとは限らない。ただ、良い結果を生むためには変化が必要だ。
いまこそ、暴言のような目標を聞きたい。
いまこそ、暴挙のような組織改編を見たい。