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就職活動の思い出
相変わらず採用活動の真っ最中だ。今年の活動は採用関係者にとっては長く、かつ負荷が高い。
出来るだけ多くの学生に会って、購買という仕事の魅力を伝え、良き同志足りうる人と出会いたいと本気で考え、行動している。(が、結果に結びついていない。)
時に彼女達から「あなたの就職活動はどうだったか?」と聞かれて、思い出を話すことがある。そんな時には、当たり障りのないことしか言えない。
ここから書くことが本当のことだ。
私自身は部活で忙しいのを言い訳に、自分の仕事や就職しようする業界をあまり深く考えようとはしなかった。本当のところ、そんなことを考えるのがいやだったのかもしれない。当然それは相手に見抜かれ、なかなか就職は決まらなかった。
そのくせ、他の学生と一緒にされたくないと、青いシャツを着て会社を回っていた。最終面接まで進んだあるメーカーでは、採用担当者が嫌な奴だったので喧嘩して飛び出してしまったりもした。(嗚呼、若気の至り!)
結局何気なく受けた、今いる会社にかなり遅い時期に内定をもらったのだが、その時、ようやく解って来た、自分の第一志望の会社を受験したい、と正直に申し出ると人事担当者に、「うちの内定をとりたければあきらめろ」と言われた。
内定を受けて自宅に戻る私は正直、安堵感よりも言いようのない悲しみで一杯だった。こんないい加減に、自分の人生の大きな一歩を踏み出してしまったことに対する後悔もあるが、それでは全てを説明できない。もっと得体のしれない衝動のような悲しみだ。
その夜生まれて初めて、外でひとり酒を飲んだ。まるで酔えなかったのを記憶している。今と違って、就職した会社が一生の会社になるのが当たり前だと思っていた頃の話だ。
ところが、そんなに悲しむ必要はなかったことに気づくまでには、数ヶ月しかなかった。
会社はこの新入社員を裏切り続け、「つまらなくなったら、やめちまえばいいや」とすぐに気付かせてくれたのである。