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当たり前と思っている常識はずれなこと(2)
バイヤーは自分でできないことを上司に任せることを常に慎まなければならない。
自分が会社の代表として、いつもあるサプライヤーに接していることを忘れずにせねばならない。この点は常に強調しておきたい。
だから、ある企業の担当となったときは、自分ひとりでそのサプライヤーの全てを知り尽くし、誰も持ち得ないコネクションと影響力を持つべく必死に努力せねばならない。
そして、その努力が実を結んだとき、きっとすぐにそのバイヤーはさらに困難な試練を与えてくれる上司にめぐり合うだろう。
良くも悪くも、日本の会社とはそういう意味での特定分野のプロフェッショナルバイヤーなど育成する気などないから、そういう機会を使い自己を成長させねばならない。
今の時代は、そのバイヤーが「できないやつだ」と思われれば、すぐに担当を外され、下の簡単な業務を任させられることになるだろう。
そして、それは競争と自立の時代においては当然のことなのかもしれない。
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若いバイヤーが、一体どうやって年配者ばかりのサプライヤーに立ち向かえばいいのか。
そういう質問を何回もいただいた。
もちろん、それに対する明確な答えなどない。
ただただ、常に周囲の年長者バイヤーに追いつこうともがいていなければならない。
周りの年長者がコネと付き合いの長さだけで解決されることを、いつまでもいつまでも悔しく思っていなければならない。
同時に、そういう困難なことを若いバイヤーに任せてくれるなんて、最高に素晴らしいことだとバイヤーは思わなければならない。
私は、中小企業のオヤジのところに何度も足を運び、ほぼ徹夜でそのオヤジの人生談義を聞き、意見を取り交わしたことがあり、交流を深めたが、それは一度二度ではない。
協力を求めるために、企業の社長に会いに行き、自ら率先してプレゼン役を買ってでて、自社の代表として意見を述べたことも何回もある。
そして、ある企業が発行している技術評論に目を通し、感想を手紙で書き、その企業の技術の最高顧問の家に呼ばれ自分をアピールしたこともある。
つまりなんだっていい。
目標さえあれば、いつでもどこでも目立つチャンスがあるし、その企業に対する影響を高めていくことができる。
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今までを振り返るに、成長していった源泉は、この「なんで自分にはできないことが他人にできるのか」という悔しさではなかったかと思う。
逆に言えば、それだけで私はやってきた。
成長するためにはコンプレックスが必要だ。
深く、自己を律するようなコンプレックスが必要だ。
なんでもIT化が進んだ今こそ、自分しかできない技能、そして、成長のためのコンプレックスが求められている。
「自分のできない100のリストを作って悔しがろう」