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政府調達は、おそろしい
衝撃的なニュースだった。米政府が、調達契約に関わる件でオラクルを提訴したという。しかも、「詐欺行為」なのだそうだ。内容を簡単に記そう。1998年から2006年にわたって政府とオラクルはソフトウェアの契約を結んでおり、その期間に数億ドルの詐欺をはたらいたという。なんとも物騒な話だ。しかし、私はあまりオラクルを一方的に責める気になれない。
その詐欺行為の内容だが、政府はオラクルに対して値引き交渉を行ったという。契約では、一般(市況)の価格が引き下げられた場合は、政府に対する価格も下げることとされていた。しかし、オラクルは正確な情報を政府に伝えず、それが政府の数億ドルの損害につながったという。
報道もまだ一部にとどまるので、あまり断言するのは止めておこう。しかし、ここには難しい問題が内包されている。
1. 市況(他顧客)の価格が低減しているからといって、それを一般化することはできない。つまり、ほとんどのソフトウェアがなんらかのカスタマイズを施されているはずで、その低減額が何%だからといって、それを他にも当てはめることは難しい
2. 他顧客への価格情報を一般論として他社(者)に提示することは難しい
3. 取引条件等により価格は変化することが当然なので、「下げなければいけない」と義務化することは難しい
という「難しい」だらけのことだ。もちろん、下げることは契約に盛り込まれていたようだし、第三者がとやかくいう問題ではないかもしれない。しかし、私はこの提訴のニュースには驚かされた。それはこれらの三つの要因からである。
政府調達は、おそろしい、と書いた。それは調達する側のおそろしさだけではない。政府に調達してもらう側にとってもおそろしいのだ、ということをこのニュースは黙示してくれる。