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日本トイザらスはほんとうに悪いのか
先日、公正取引委員会が日本トイザらスに立ち入り検査を実施。結果、同社が優越的地位の濫用により、仕入先からセールの赤字補填を強制していたことがわかったという。400社以上の仕入先を対象とし、割引率の設定などを繰り返し、それにより安価な販売を実現させていた。
このニュースを読んだとき複雑な感情にとらわれた。
私のこれからの文章は、公正取引委員会の検査を否定するものではなく、批判するものでもない。ただし、日本トイザらスへ同情的な感想を述べるものだ。
というのも、小売の世界でリベートやキックバック、一時金での利益補填なしで成立しているところなどないと思われるからだ。
仕入先からの仕入価格を低減できるように努めればいい。それに、自社努力で販管費を抑えるべきだ。などという意見は理解している。しかし物事はそれほど単純でもない。競合他社との仕入価格にさほど変化があるわけではない(それはメーカーが仕入価格を調整しているからだ)。また、販管費の削減といっても各社ともギリギリのレベルに下げている。しかも、そのままの価格だと販売は伸び悩む。
また、メーカー側も、通常の仕入価格は下げなくても、特別なとき(セールなど)やリベートとしてなら対応することができる。しかも、それは多くの場合、小売店の売上に応じて比例的に支払われるから搾取構造があるわけではない。
もちろん、小売業各社に落ち度がないとは断言しない。おそらく交渉の過程で「やりすぎ」ることもあるだろう。仕入先に過大な要求をつきつけることもあるだろう。
しかし――。もう仕入先からの補填でなんとか小売業が成立するとは、時代の一つの側面でもある。報道だけを読めば、単に日本トイザらスが悪しきことをしているという印象があるかもしれない。ただ、それほど解釈は容易ではない。
同店から玩具をいつも購入していた元・少年の立場からそれだけを申し上げる。