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最も効果的なコスト削減策は、「買わない」ということである。
調達額とは、単価に数量をかけたものです。この方程式は変わりません。単価をたとえ数パーセント下げたとしても、10パーセント以上の数が余れば意味がありません。
たとえば、リールで買っている製品など、使い切れないケースもありえます。そんなとき、調達担当者は、自分たちが数量を決めるわけではない、といいます。設計者や生産管理が決めているので、私たちは単価を決めるのだと。
なるほど、そういう調達担当者はすでにセクショナリズムと縦割り行政にがんじがらめにされているのでしょう。買う必要がないものを買わざるをえない。そう認めているのです。
自分たちは無力だから、ムダだとわかっていてもどうしようもないと。だからこそ、私は思います。仕事で大事なことなど、本を読まずとも、誰でも知っている、と。問題は、その知っている当然のことを、誰も実現できない点にあります。調達担当者は、必要量を真剣に調査したことがあるでしょうか。
または、発注量と消費量の差異を徹底的に調べたでしょうか。発注量を抑制しようと試みたでしょうか。当然を当然にやる。それが、成功の秘訣であり、そしてもっとも効果的なコスト削減手法です。