- ホーム>
- 最強の調達・購買スキルアップ講座>
- 歌って踊れてお芝居もできるバイヤー
歌って踊れてお芝居もできるバイヤー
「なんでもできます」
「なにか(仕事は)ないですか?」
私は、サプライヤーの新規開拓だけをおこなっているバイヤーだ。現在、今年一年の総括をおこなうために、一体何社とコンタクトして、何社採用して……ってことをカウントしている。打率は極めて悪い。イチローのレベルにはほど遠い数値になるだろう。
バイヤーになって初めてこのように新しいサプライヤーと会い続ける一年を過ごしたが、印象に残った言葉が冒頭の二つのフレーズ。一生懸命に仕事を得ようとする姿勢は理解できるが、最初に自分を語る前にこのようなフレーズが口から出てきてしまう。最適な発注をおこなうために存在すると考えている私にとって、思考停止への最短距離に加速度をつける言葉だ。
で、ほんとうになんでもできるか?と言えば、そんなことはない。実際細かく聞いていくと、リソースが不足することが明らかになる。皆、限られたリソースでやっているから、不足している部分をどう補うかがまで含めて話をしたいんだけど、ここまで行き着くサプライヤーも一握りに過ぎない。十数分で区切られた商談時間のなせる技なのだが、言い足りないサプライヤーはほとんどいないが如くに、次はない。
今、一つの思いに囚われつつある。
地域ごとでも、業界ごとでも、ある枠組みの中で仕事をしてきたバイヤー企業とサプライヤー。そんな中で、既存のサプライヤーとばかり仕事をしてきたバイヤー側の怠慢で、サプライヤーの新規開拓が進まないと思っていた。しかし、サプライヤーの売り込む姿勢にも問題があると思わざるを得ない。しかし、この話をある優秀なバイヤーにしたところ、私が所属していない会社にさほど魅力がないのではないか、との厳しいご指摘を頂いた。なるほど!だったら、何かないですか?といわれた時に、あれもこれも、どれもこれもと、発注したい製品を逆に売り込めばいいのか、と。そう、今を憂うよりも、自分が変わって解決するなら、唄も踊りもお芝居もやりましょう!ってことだ。
ということで、来年は歌って踊れて、映画にも出るようなバイヤーを目指すことにします。