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生活のために働かない
「結局、守るものがあるからね」
購買組織の不平不満を常に言う人がいます。「それならお辞めになったら」と
私が言うと必ず戻ってくる返答が上記のものです。「守るもの」とは自分の立場
であったり家族だったり、収入だったりするのでしょう。
次に返答されるのが、「結局、何もできないから」ということです。「何もで
きない」というのは、バイヤーとして他者比較優れたところが何もない、とい
うことです。したがって辞めるに辞めれない、と。
私は、常に逆説的に考えているのですが、「いつでも辞めれる」という感情こ
そが今を大切にできる源泉なのではないでしょうか?その感情こそが、
「自分が
現在学べることは何か」ということに敏感にさせます。私は「いつでも辞めて
いい」という感情がなければ、必死に業務を覚えることもなかったでしょうし、
購買の英語本を読み漁ったり、
SCMの勉強や、サプライヤーに出向き真剣に
学ぶこともなかったでしょう。
いつまででも会社にいるという前提よりも、「いつでも辞めることができる」
と考えることで、それがゆえに次のステップを目指し力が湧いてくることがあ
るのだと思います。
私は、「各人には様々な事情がある」ということは納得します。しかし、辞め
るに辞めれない状況はとてもよいとは思いません。
バイヤーはよく業務で「生産リスク対応」ということで、各サプライヤーの
生産場所を分散させるように勧めています。一箇所に集中していれば、地震火
災のときに困ってしまうからです。
もし、それが正しい施策であれば、バイヤー自身もリスク対応意識を持ち、
いざ一つの収入源(今の勤務企業)が危機に陥ったときに困らないような対策
を日ごろすべきではないかと思います。
劇的な購買になるために
一つに依存するのはやめよう
上司に子離れをさせる
「あれって、どうなったんだっけ?」と訊いてくる上司がいます。
しかし、そういう上司も信頼している部下に関しては現状の報告は求めない
ものです(人によりますが)。
私はかつて、という内容を読んだことがありましたので、
「報告が常に必要だ」
「今のコストと、納入の状況を・・・」という感じでいつも報告していました。
ですが、あるときから「そういう報告はもうしなくても大丈夫だよ」と言われ
るようになりました。
報告を毎回していたから、「こいつは常に大丈夫だ」という認識が上司の頭の
中に出来上がったのです。これは逆説的な発見でした。こういう状況です、と
いう報告をするほど、報告が不要になってくるのです。
色々なバイヤーがいるので単純にはいえませんが、バイヤーは普段の業務で
忙しく、報告資料をつくることは非常に難しいはずです。ということは、報告
の業務はできるだけ減らした方がいい、と言うことができると思います。とす
るならば、まずは上司に報告して呆れられるまで「こいつは大丈夫だ」という
ことを認識させることです。
上司に子離れをさせるのに最も有効な方法は
・信じられないくらい無能なバイヤーになるか
・優秀なバイヤーになって安心させるか
の二通りですが、こういうものを読む人にとっては前者が近道でしょう。「優
秀」といってもちょっとの工夫でそう見せかけられますから問題はありません。
「見せかけられる」と書きましたが、これは重要で、「そう見られる」と人はい
つしか本当に「そう」なってきます。
働く自由も大切ですが、もっと重要なことは自由に働くことだと思います。
会社から離れられない社員と思われるのもイヤじゃないですか。
劇的な購買になるために
一人立ちしよう