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競争する気はありません!
今日、とある大手電機メーカーの営業担当者と、私が担当する製品に関する価格交渉を行った。本日のタイトルは、その中でその営業担当者が言った言葉である。
交渉の過程はこうだ。
昨年度、その担当者との商談である製品を購入した。私も初めて購入する製品。私の勤務する会社としてもお客様より受注する課程で、そのメーカーに営業協力をして貰っており、最初なので何より確固たる価格の確証を得ることができずに、旧態依然とした値引き要求を粘り強く行った交渉の後、価格を決定した。時間と労力はかなりのボリュームを費やしたが、私としては全く納得を得ることができない交渉であった。
そして今回の交渉に至るまで、いろいろと情報を集めた。今回の案件も昨年度の案件も東南アジア某国へ納める製品であるが、今回の対象メーカーはその国で唯一、サービス網を持っているメーカーであること。競合メーカーと比較して、性能面、品質面での市場での評価も、上のレベルにあること。但し私のこれまで経験のある製品とは全く畑違いの製品であり、前回の購入価格を計る事はできなかった。
そんな中、最近通っている中国のメーカーの近くに同業者がいることが判明。出張のついでに訪問し、自社の事業展開を説明し、前回実績品の仕様で引き合いを行ってみた。回答は・・・前回私が決定した価格の約6割であった・・・
中国メーカーとの品質管理面での歴然とした差、市場での実績及びメンテナンス網等考え合わせると、単純に100:60で価格を比較することはできない。日本と中国のレート差を勘案すれば、有る程度の差は必ず生まれるからである。但し最近の引き合い結果から判断すると、日本での購入実績対比での△40%とのレベルは、ちょっと大きい気がしている。
インターネットは場所と時間の違いを解消してくれる。例えば海外での品質監査の状況を、リアルタイムで日本で見ることも携帯電話が有れば理論的には可能である。情報収集もあるレベルまでは非常に簡単に入手することができる。しかしそのメリットは、私の購入側だけでなく逆の販売サイドににも言えることである。事実、例えば日本のメーカーがある製品をいくらで作っている・・・との情報は、海外のメーカーは大体掌握している。従い、最近ではただ海外と言うだけでは魅力的な見積は入手しづらくなっている。微妙に安い・・・程度が一般的ではないか?
そんな状況を掛け合わせて考えると・・・前回実績含めた今回の日本メーカーの価格は非常に高いのではないか?との問題を導くことができる。ただ正面切って、中国メーカーの見積金額は・・・と切り出しては、芸がないので、単純に比較するつもりは無いとの前置きを非常に慎重に行った上で、以下の通り交渉相手に話をしてみた。
・中国の××とのメーカーを先日訪問して、前回実績品と同一仕様で引き合いを行ってみた。
・提示された価格は、実績価格の約半分
・現時点では原材料の価格は、日本よりも中国の方が高い
・製品製造工数、及びレートから判断して、今回の提示価格の差違はどう説明すべきなのか?
すると今回のタイトルの発言。非常に気分を害した様子である。持ち出した中国メーカーの名前を知っており、散々こき下ろした後に、競争するつもりは有りませんとの事。暗に買えるモノなら買ってみろ!と言わんばかりの態度である。
ちなみに今回の交渉相手も中国に工場を出している。その進出の過程で、私が持ち出した××というメーカーにも合弁を持ちかけた事実も有ることも××の総経理より聞いている。まさにさっき打合せをしたばかりなので、まだ私も考えが纏まっていないが、何か面白くなりそうな予感がしている。
これまで霧の中にいた自分の目の前が段々晴れてくるのを実感する。次の展開が本当に楽しみである。どうしよっかな~