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第1章 座談会 3.● 「売る」バイヤー②
坂口 そういう仕事の方が、女性は面白いよね
藤野 販売元で、その責任はとれない
斎藤 こういうブースに、こういうフェアーをやります!ってことになったら、例えばブースを提供するお店の人からこういう商品をおいてほしいって言われることはあるの?
藤野 そういう風に、たくさん売り込みとか提案をもらう
坂口 でも、そんなに受け入れることはできないよね? いらねーよーって
藤野 そう、今回できませんって……
坂口 責任の大きさと裏返しですよね
藤野 そうですね……後は、いかに……主導権をもって「こういうのをやるんです」っていう意思の強さを……持っていないと、力のあるメーカーがすごい勢いで提案してくると、流されちゃって、最終的にお客さんへ良いモノを提供できなくなってしまう。意志を強く持つ、こういう風にやるのだ! と言うところが問われる。
斎藤 やっぱりお客さん寄りになるのですか?
藤野 そうです
斎藤 お客さんがこういうことやりたいってものを、プロデュースしてあげる?
藤野 お客さんが絶対欲しいであろうものを、ばっちり提供してあげないといけない
鈴木 読み違えて売れなかったら……
藤野 ありますよ
鈴木 売れたね!ってのは嬉しい言葉だけど、失敗して、プロモーションが全くうまくいかなかったときは、バイヤーの責任でしょう?
藤野 それはそれで、自分の責任です、まず在庫どうするんだ、ですよね? 売上げの数字の問題もあるけど
坂口 具体的にはどうするのですか?在庫を
藤野 安く売るのが手っ取り早い
鈴木 自分で買う?
藤野 自分では買い切れない、食べきれないし
坂口 産業系のバイヤーの評価軸って安く買うことしかなくて、毎年4月になると愚にもつかないことばっかり嘘ついて、3%下げろ! と言うしかない……理屈も何もないのだけど、藤野さんは、売るって評価軸で計られているのですね
藤野 そうですね、そっちです
坂口 たくさん売れたら給料は上がるの?
藤野 会社による……でしょうけど、ボーナスにはどこの会社も反映されますよ
斎藤 それだけの業績だよって事で
藤野 はい、多分売上げと……利益でみられる
坂口 そこまでやれるのだったら、その会社に属する意味ってないんじゃない? そんなことない? 個人でやった方が早そう
藤野 あーそれは、やり方が全然別ですよね、会社の看板があって、売る場所も用意されていて、その立場として
坂口 そういうのを借りて、そこで働いているみたいな感覚?
藤野 看板借りて、会社のお金を使わせて貰って、そこで売上げを作っていく
鈴木 自分で雑貨店をやっている感じですよね?腕を磨いて、私目利きできるじゃんって感じ
斎藤 藤野ちゃんの場合は、自分の好みが反映できない場合もあるわけでしょう?どっちかっていうと、一般にどう受けるか?そういうほうですよね?自分が好きなものを人に押しつけるのではなくて……先取りして、一般に受けそうなものをどれだけ自分が勘を働かせて、取ってくるか?
藤野 そうですね
斎藤 自分で流行を作りたい……みたいな
藤野 そうなりたいですね うちではもうコレ売っていますよ、早いでしょ? 今欲しいでしょ?
鈴木 そんな風に言われたことありますか? こんなの探していたのです……って。
藤野 ありますよ、嬉しいですね。あと、お店のスタッフから、これを買いに毎日来てくれるお客さんがいるんですよ……って話を聞いたりすると。