若造ではどうにもならないことへの反逆 ~ 不毛な交渉を超えて(1)

若造ではどうにもならないことへの反逆 ~ 不毛な交渉を超えて(1)

「お前がやっとることは違法やぞ。公取に連絡したら、お前なんかすぐ逮捕やぞ」

男は、バイヤーの交渉が「買い叩き」に相当する、というのだった。買い手の優位的な立場を利用した不当な価格交渉だ、というのだった。

しかし同時に、内容はともかくとして、こういう口調で他社の人間に発することが、どれだけ礼を欠いた行為であることかに彼は無自覚だった。

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以前、子会社の製品の購買担当をやっていたことがある。

その子会社は小規模で、売上のほとんどが親会社に依存していた。通常であれば、「親会社=強い」、「子会社=弱い」というイメージを抱きがちだが、そんなことはない場合が多い。

本来であれば、子会社は各分野の事業を最も効率的に市場に働きかけるための組織であるはずだが、親会社に依存するだけで、もっぱら親会社からの老年社員の排出先になっていることが多いからだ。

すると、OBの中には古巣の社員に対して、まだ自分の部下であるかのような口調で語りつづける人もいる。

子会社に出向・転籍することで、自分の権限を増して、色々なことにチャレンジできる恵まれた環境にある。例えば元ボストンコンサルの堀紘一氏などは「ビジネスマンとしての能力を劇的に伸ばすためには子会社に出向することだ」とまで述べている。

しかし、多くの場合、子会社への出向・転籍は「出世ゲームからの離脱」としかとらえない人が多いので、やる気もないわけである。

上記の話のバイヤーはもちろん私であり、あれを語った営業なんたら統括役員であった氏はそのときの私の企業OBであった。

そこから私は子会社との関係について考えるようになった。

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