調達・購買担当者が注目すべき技術進歩

調達・購買担当者が注目すべき技術進歩

かつて調達部門に属していたころに驚いたのは、各部員の「技術への興味の
なさ」でした。会社によって違いはあるでしょう。でも、そのような傾向は
あるはずです。ものづくり、製造業に属しているひとであっても、技術に興
味がないのです。見積書を下げるときは理屈抜き。新技術を摂取しようとも
しません。ただ、今回の趣旨は批判ではありません。2013年に出現した
注目すべき技術についてです。

私は(まあ、いちおうプロとして)技術動向もウォッチしています。201
3年は素材系の技術に瞠目しました。

まず、「自己修復樹脂」ですね。これはヒビや引っかき傷を自己修復するも
ので、さまざまな用途が期待できます。某社はスマホのディスプレイに採用
しました。微細な修復剤が自動的に出るもので、それにより傷がなくなるの
ですね。すごい技術と思いました。

また、次に、ネイチャーテクノロジーが注目されます。これは文字通り自然
界、とくに生物の形態を応用するものです。たとえばクモの糸は、同じ太さ
で比較すれば、鉄鋼の5倍ほどの硬度があるのですね。炭素繊維とくらべて
も軽量化できます。クモの糸を量産化する技術が注目されていますし、実際
にクモの糸を使った衣料が話題になりました。

次に、「形状記憶樹脂」でしょう。これは過熱することで元の形に戻るもの
です。これまでは形状記憶そして合金がありましたけれど、それよりも安価
で精度よくできます。加熱すれば形状が変わるので、ネジ山がなくなり簡単
に外せる製品が出てきました。

アナログな分野では、極限ロボティクスが注目されるでしょう。これは、原
子炉や宇宙で稼働可能なロボットのこと。もちろん単純な発想では、すべて
油圧で動くロボットでしょうけれど、半導体を使った新技術によるロボット
も模索されています。福島原発の影響もまだ続いていますし、期待される分
野でしょう。アメリカを中心に研究されており、やや日本は出遅れ感もあり
ますけれど、追い付きを望みます。

最後に、個人的に注目したのはDDSと呼ばれる技術。これは、「ドラッグ
デリバリーシステム」で、薬を体内の適切な場所に届けるものです。薬剤が
他臓器を傷つける副作用を軽減させ、患部にだけ薬を運ぶ技術なのですよね。
極小なカプセルで、腎臓だけに届けるなどの研究があります。そうすると、
医薬効率化が進みます。

……。とまあ、ほんとうは、ウェアラブル系の技術もあげようと思いました
けれど、この程度でやめておきます。堀江貴文さんは「儲けたいなら科学な
んじゃないの?」と本を出しましたけれど、ほんとうにそうかもしれないで
すよね。稼ぐためには、誰もやっていないことをやる、の法則からすると、
もしかしたら調達・購買部員の成功法則はなによりも「新技術を学ぶ」こと
かもしれません。

調達・購買のみなさん、来年はもっと新技術やテクノロジーを一緒に学びま
しょうか。

無料で最強の調達・購買教材を提供していますのでご覧ください

mautic is open source marketing automation