調達今昔物語

調達今昔物語

むかしむかし、あるところに調達王国がありました。王国では、「これからは一極した調達は効率が悪い。各所ともそれぞれ調達品に求める事情があるはずだ。これからは各所で分散して調達した方がいい」と宣言しました。事業部に分断し、事業部ごとに調達を開始しました。すると、たしかにこれは好評でした。各事業部の要求を聞き入れて調達するわけですから、最適な調達が可能だったのです。

しかし、ときはながれ、この王国では次なる宣言がなされました。「各事業部それぞれの調達など、効率的ではない。むしろ、分散調達こそが効率が悪かったのだ。これからは集中購買を復活させて、コスト削減を推進するのだ」。180度違う意見ではありましたが、王国の王様が代わってしまったのでしかたありません。以前の「正解」はこれからの「不正解」になってしまったのです。

またときは流れました。王国ではあらたなる宣言がなされました。「集中購買など幻だ。ほとんどまとめることができていない。メディアには、『集中購買でコスト削減10億円』といったけれど、あんなのウソじゃないか。実態はばらばらの調達しかできていない」。そこから王国は分散購買に戻りました。

なぜ、組織は変わり続けるのか。そしてなぜ施策は変わり続けるのか。それは、すべての組織と施策は完璧ではないからだ。そして、文脈によって意味は異なるからだ。

寓話は三つの段階を述べた。現在は、第二段階まで進んでいる。おそらく、第三段階への揺り戻しがやってくるだろう。集中購買や分散購買のどちらが正しいという意味ではない。文脈によって意味は異なるということにすぎない。

時代は流れる。

そのときに調達・購買部門は、その変化の理由・必然性をどのように説明するのだろうか。

そして、確固たる信念はあるだろうか。

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