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調達担当者が会議でそれっぽく発言する方法
先日、日本テレビ「スッキリ!」にコメンテーターとして出演しました。
「面白かったぞ」から「つまんねえことばかり言うな馬鹿野郎」まで、各方
面からありがたいコメントをちょうだいしました。お叱りのみなさまには、
私のことがそんなに嫌いであるにもかかわらず温かく見守っていただき、と
くに深くお礼申し上げます。
ところでテレビの生放送では、大阪では30秒、東京では15秒でコメントをま
とめる必要があります。その程度の時間しか与えられないのですね。引き伸
ばしすぎると、番組進行に支障が出ます。「あんなの台本通りでしょ」と質
問されますが、とんでもない。すくなくとも、私の経験では、台本通りに進
んだことなどありません。いつコメントを振られるかもわからないなかで、
反射神経が要求されます。
私は会議などでコメントを求められると、ほとんど止まらずにお答えします。
しかし、テレビは緊張感もあります。けっこう難しい。これを身につければ、
コメント返しスキルは、多くの場面で応用できます。
たとえばビジネスマンであれば、会議や商談を避けられませんよね。その他、
とっさにコメントするケースは多いはずです。そこで、「もっともらしく」
「それっぽく」発言するための、私流コツをお話します。
それはコメントの続きです。何かを批評するとしましょう。一つの定石として「そ
の批評対象者の目的を達するためには、むしろ、それをしなかったほうが良
い」と返す型があります。どういうことでしょうか。
たとえば、先日、山本太郎議員が、なんと陛下に直筆の手紙を渡すという
「ハプニング」がありました。この事件について発言を求められたら?
「山本さんはケシカラン」と語るのはもっとも簡単。でも、「その批評対象
者の目的を達するためには、むしろ、それをしなかったほうが良い」と返し
てみましょう。どうなるでしょうか。
この場合は、「山本さんの脱原発を達成するためには、直筆手紙を渡さない
ほうが良かった。これ以降、氏の活動は必要以上に監視されるはずだ。本来
の目的達成のためには、逆に支障が出るのではないか」とコメントするわけ
です。
これで、「批評対象者」=山本議員、「目的」=脱原発、のためには「むし
ろ、それをしなかったほうが良い」=「むしろ手紙を渡さなかったほうが良
い」と、文脈を逆転させることができます。ほんとうの批評とは、行為を断
罪するのではありません。その行為の限界点を示し、本来の主旨と趣旨から、
優しさとともに接してあげることなのです。
あるいは「陛下は何度も福島をご訪問なさり、じゅうぶん状況をご存知だか
ら、手紙を渡すのは心労を増やすだけで、山本議員の目的の逆に作用する」
とかね。これは、陛下側も山本議員側も、考慮する言い方となります。
ちなみに、個人的には、私は山本さんの行動はどうかな、と思うものの、中
立的な立場です。いや、正直にいえば、そりゃ個人的に問題意識はわかるけ
れど、さすがに陛下に渡しちゃイカンだろとは思います。ただ、会議などで
も使えると思い、あえてこの例を出し述べました。
一つの定石として「その批評対象者の目的を達するためには、むしろ、それ
をしなかったほうが良い」と返す型。活用法を考えていただくと面白いはず
です。