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調達部門が仕事をしなくてもコストが下がる理由
この前、期待していた発表がありました。どういう発表かというと、201
5年度の製造業にかんする経営指標です。財務省が発表しています。私は製
造業全体の製造原価が下がるのではないか、と予想していました。
その結果、見事に下がっていました。これは、各企業の調達・購買部門が頑
張ったから、といいたいところですが、そう断言できません。また、営業部
門が頑張って売価を上げたから、というと、そうではありません。物価上昇
から調べても、それは確認できないからです。
これまで、各企業の調達・購買部門は、「コスト削減1000億円(ただし
原材料変動は除く)」という裏技を活用して対外発表していたケースがあり
ました。心のなかで私は、「おいおい(ただし原材料変動は除く)って何だ
よ」とつっこんでいました。
そこで冒頭の話なのですが、私がなぜ製造業全体の製造原価が下がるのでは
ないか、と予想していたかというと、そこに理由があります。というのも、
日本の製造業では、製造原価率の上がり下がりは、ほとんど原材料市況全体
の上がり下がりにほぼ、ぴったり影響されるからです。
つまり、原材料の市価が1%あがれば、製造原価も1%あがり、原材料の市
価が1%下がれば、製造原価も1%下がります。ちなみに、これは、さらっ
と書いていますが、衝撃的な事実です。
製造業は原材料だけを使って生産しているわけではありません。外注や、他
の調達費もあります。しかし、なぜこれほどリンクするかは説明を割愛しま
す。ただしここで言いたいことは、それだけ原材料に、原価率が支配的な影
響を受けている事実です。
こういった事実がみなさんの仕事にどれくらい直接的に役立つか。みなさん
の業務詳細まではわかりません。ただ、調達・購買の部員としては、こうい
う情報を収集し、自分なりの世界観から切り取れる能力が必要だと思うので
す。