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買わない事で得られる結果に感動するバイヤー
ある社長からのお話の二つ目。買わないことで損益分岐点が目に見えて下がったそうだ。
ちゃんと説明すると、受注量の減少により社内の操業確保に四苦八苦している。まず最初に手をつけたのが外注費だ。今まで外に発注していた仕事をなるべく社内へ取り込んだのである。
すると、なんと損益分岐点が10ポイント以上も改善されたらしい。思わぬ効果だったそうだ。そして、その社長さんが素晴らしいところは、喜びもソコソコに「なぜ?」を追求した点にある。
するとこんな結果だったそうだ。
1.納期確保の目的での外注
2.前回も外注としていたので、今回も外注
3.社内では技術的にできないと思っていたので外注
外注→内製へと取り込むことに成功した製品を、今まで外注製作としていた理由が、以上3つに集約されるらしい。そして、すべてではないらしいが、かなりの割合で、社内で製作したほうが安価だったそうである。これは資材調達で忘れてはならない、偉大なるセオリーが隠されている。
その社長いわく「これまでたいした理由も無く、安易に買っていたんだよ」ってことだ。
納期に間に合いそうも無いから外注する。前回と同じ製品で、前回と同じように外注する。社内では作れないと思っていたので外注する。確認を怠り、考えず、思い込みで仕事をしていたってことなんだろうな、と思えてしまう。別にバイヤーに関わらず、これはビジネス上もっとも気をつけなければならない事だと思える。そしてこの話からバイヤーとしてやるべきことを考えると、
(1)再三再四でなくても良いから、一回は確認する。
(2)前例を「何で?」と疑う
(3)「できない理由」を探し、何でできないか?という理由を考え、できるようにするにはどうしたら良いのか?
って事だと思うのである。時には、バイヤーは「買わない」って言い出してもいいのかもしれない。