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購買戦略とは何か、良いサプライヤーとは何か(1)
「あの人が死んでくれてよかった」
22歳の若者にとって、中年男性から聞くこの発言はショッキングだった。
新しい担当として迎えた私に対して、その営業マンはそう語った。
「はじめまして、担当になりました。以前の担当者は、○○へ異動し~」
そんなことを話し出した途端、その営業マンはいうのだ。
「そうそう、知っていますよ。あそこでしょう。あれだよね、○○さんも行っている。もう戻んないんじゃないの?」
後からきくところによると、前任者が出向した先は出世街道から外れた50過ぎがいくという「姥捨て山」だった。
20歳以上も歳の離れた私に、その営業マンは気を許したのか、「よかった死んで」というのだった。
「死んでよかった」というのであった。
・・・・
相手がどこに属するかを気にして、それにより態度を変える人間は下らない。
しかし、営業マンは仕事だ。
したたかに態度を変えつつ売上を確保するという、戦略といえなくもない。
ただし、それでも下らない。
それと同時に、立場を利用して勘違いするバイヤーももっと下らない。
だから、バイヤーはふんぞりかえっているだけで成長できないのだ。
そして、いつか言われるのだ。
「あなたが死んでよかったよ」と。
・・・・
よく思えば、あの瞬間が旧世代との決別を心に誓った瞬間であったように思う。
そして同時に、旧世代の語り継ぐものに対して、どれが「使えるか」を見極めるようになった瞬間でもあったように思う。
よいサプライヤーとはなんだろうか。
老年者は、「営業マンが明るく親切なこと」と言った。
「どんな要求にも必 死でがんばってくれるメーカーのこと」とも言った。
もちろん、それは正しい。
だけれど、本当の「よいサプライヤー」とは、その企業の戦略と、あなたの購買戦略が一致しているところではないだろうか。
そして両戦略が合い、数々の基本的条件をクリアしているところではないだろうか。
売り手の販売戦略と、買い手の購買戦略が一致しているとは、もちろん相手の重要顧客が貴方の会社であることだ。
そしてあなたの購買戦略上の購入拡大メーカーがその売り手企業であることだ。