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購買戦略とは何か、良いサプライヤーとは何か(2)
私が老年者から学び、いまでも納得しているのは次の3点だ。
(1)見積提出が早いこと
(2)キチンとした対応が各社員から感じられること
(3)定期的なミーティングが可能なこと
(1)は基本的なことだ。見積もり提出が早いとは、社内のシステムがちゃんと構築されて いることを示している。
そして社内のコスト構造が明確化していることを示している。
ほんのちょっとした製品の見積もりを提示することが遅れることによって、いかに多 くの売り手が商機を逃していることか。
見積もり提出が早いことは、一番の営業促進になる。
あなたはいままで多くの売込み を経験しているだろう。
そしていざ何かの製品の見積もりを頼むと、遅々として提出 されないことも同時に経験しているだろう。
このようなメーカーは社内システムが上手く作動していないことを示すだけでなく、対顧客に対するサービスも疑ってしまう。
(2)すべからく購買担当者は担当メーカーの事務所に行ってみるべきだ。
そしてそこの企 業の細やかな対応を見るべきだ。
その企業の各担当者の机の綺麗さや受付嬢の対応、 電話や提出文章のレベルと、その企業の業績は比例しているといってもいい。
おそら くこの相関関係で1冊の本が書けるだろう。
以前、日本の製造業で「3S運動(整理・ 整頓・清掃)」というものがあったが、これは日本の製造業の生産性の高さと不良率 を見るうえで重要なファクターであることは多くの書籍で指摘されている。
これは事 務系の仕事でも同じことであるはずだ。
(3)現在「e取引」の名前でインターネットによる長距離間でのビジネスが声高に叫ばれ ているが、それでもなおあなたはいつでも会えるくらいの距離に営業マンが居ること が望ましい。
時代に逆行するようだが、決してメールのやり取りだけでは相手の深層 に入りこむ高尚はできない。
相手の表情から得る情報も非常に多い。
また、多くの情報は営業マンとの雑談から入手できる。
そしてできることであれば曜日を決めて営業マンと定期的なミーティングを持つこ とが望ましい。
週に30分程度でも、お互いの会社の情報交換や依頼事項をまとめ会話する。
パートナーシップにとってもこの定期的なコンタクトは大事なことだ。
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これら過去の遺産を前提として考えた上で、次に購買戦略を考えていきたい。これらは、古臭く誰もが言っているようで、忘れがちなことだ。
「老年者の墓の上で、花を植えてみよう」