購買戦略をどう立てるか(2)

購買戦略をどう立てるか(2)

「忙しい」が口癖であることは、絶対あってはいけない。

それはときとして、「資料作りで忙しい」とか「自分が忙しいことを皆さん分かってください」とかいう甘えに直結していることがあるからだ。

上記のバイヤーもいつも資料作りばかりしては、「忙しい」と叫んでいた。

もちろん、自分のビジョンや想いを伝えるためには、資料作りは大切だ。

プレゼンテーションで自分の道を切り拓いていく「達人」はどこにでもいる。

ただし、同じトピックで何回ものプレゼンテーションを作るということは、あってはいけない。

バイヤーであるということは、自分の買うモノについて、自分の買う戦略について、のプレゼン資料が大半のはずだ。

だから、そういった内容のものがコロコロ変わっているはずはない。むしろ、変わることはあってはいけないはずである。

購買戦略などは、下手をしたら5年くらい使いつづける可能性だってある。

そういう種類のものは、皆で議論して穴が空くまで吟味して、少し少し変化していくならばまだしも、一回一回つくっていくということは「ないはず」なのである。

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そして購買戦略で最も重要なことは、あまりに単純でバカバカしく、ほとんどの人ができていないのだが、「こうありたい」という姿、「このようになったらベストだ」という姿がなければ作ることは決してできない。

多くの人は資料を作りながら、現状をできるだけ肯定しようとしていく。

だからおかしくなってしまうのだ。

そして、もっと簡単に考えていいのだ。

「2008年には、このメーカーとこのメーカーからそれぞれ何%づつ、この分野の商品を購入している。彼らは、そのときには自己学習能力を向上させていて、こちらの指導なくともこういうサービスをこちらに自発的に提供できるようになっている。そしてコストは何%ぐらいのダウンを実現する。デリバリーにおいても両社がコネクションを強く持ち、遅延は発生しない」

こう、できるだけエゴイスティックに、本当にありたい姿をまず書けばいいのだ。

極論を言えば、このありたい姿を語ることができれば、それまでの施策は自動的に決定していくのだ。
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トヨタがかつて「WORLD15」と言ったとき、それは「世界中の自動車シェアの15%を獲得する」という「ありたい姿」が決定した瞬間でもあった。

そのありたい姿が決定した瞬間に、組織の動くべき方向性が完全に決まってしまったのだ。

このありたい姿というのは、バイヤーであれば当然思い描いているはずだ。

それが思い描けていなければ、当然資料を作る時間は爆発的に増えていく。

そして、あるべき方向性の資料など、大企業であれば「企画」とか「計画」とか名前のつく資料作りに一生を捧げた人たちのグラフか何かを拝借すればいい。

資料つくりはできるだけ
(1)以前作ったもの
(2)資料つくりが好きな人の資料を借りる
などして、簡素化に努める。

そして、バイヤーはその時間は、その目標に一歩でも近づくべく、対人交渉に時間を割いていく。

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購買戦略とは何か。

購買戦略、購買戦略という が、高尚に聞こえるのは止そう。

もっと簡単に語るべきだ。

あなたや組織が本当にやりたいこと、その結果「ありたい姿」を書き出すことから始めよう。

語れない戦略はむなしい。

そして、なぜ購買戦略というものが多くの場合、立案するのみで徒労に終わるのかも考え てみよう。
「購買戦略をひらがなで語ろう」

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