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赤字と赤っ恥の狭間で(2)
売る、ということと、儲ける、ということはどこか卑しいと思われているフシがある。
だから、営業マンが売り込むときに価格のことを言ってくれないのだ。
言え。
お金のことを隠してはいけない。「お金なんか」と言っている人ほど、お金に卑しく、割り勘のときに10円単位まで計算するからややこしい。
バイヤーも転職のときに「給料はそこそこであれば」と言葉を濁すくせに、心の中で気にしているからいやらしい。
堂々と、年収のことを訊け。そして、住宅補助とか交通費のことを訊け。この金額が欲しい、と言え。だってプロなんだろ?
カッコいい仕事をした人にはカネを払いたい。
カッコいい仕事をするつもりがあるなら、カネをもらいたい。
それは、購買の仕事とて同じことだ、と思う。最高の仕事には利益を。それを払う用意があることを伝えろ。
誰だって、どんな仕事をしても値引き交渉しかされないならば、そこに近づきたくなくなる。
・・・・
購買とは多くの発意の中から自社に価値のあるものを見つけて対価を支払う行為である。
理想論が過ぎると思われるかもしれない。
私は常に見積もりに管理費の記載を求める。それは、一定以上の利益を確保してから取引をしてほしいという期待があるからだ。
もちろん数度の取引で終了してしまうサプライヤーに対しては要求しない。
ただし、長期的な-お互いが力を合わせるべきサプライヤーに対しては、利益を確保した状態での取引をしてほしい。
利益を確保したままで競合に勝つ、ということは難しいことではあるが不可能ではない。
サプライヤーに意識付けること。そして、利益を確保したまま高いコスト競争力を構築しようという姿勢付けがなによりも必要なのだ。
具体的手法についてはいつか述べよう。
ただ、見た目の価格だけをベースに、脅しハッタリでサプライヤーの利益を削ることでしか自社の目標コストに近づけることができないのであれば、どれほどバイヤーの価値があるのだろうか。
そのためには、サプライヤーが正直にモノを申せる関係の構築が大切なのはいうまでもない。
「バイヤーはサプライヤーにボロ儲けさせろ!!」