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長期的な信頼関係について考えるバイヤー
週末の新聞に、大手電機メーカーがサプライヤーの評価に新しい手法を導入するとの記事が掲載されていた。
新しい評価基準になってもサプライヤーには厳しい話でしかない。今回の評価基準には、長期的な信頼関係に数字の裏づけを求める意図が感じられる。こういう取り組みには、心から拍手を送りたい。
長期的な信頼関係をベースにした取引関係とは、言い方を変えると「馴れ合い」となっているケースが多いと思う。さして大きな理由は無いけれども、これまでがそうであったように、今も発注し続けている、だから将来も発注する、そんなサプライヤーだ。そんな関係を継続するのは、バイヤーの弱さに原因がある。
良くわからないけど取引を継続しているサプライヤーについて、なぜ取引しているのか?という理由を求めると、こんな理由がある。
「いつも、無理聞いてもらっているから」
「こまめに顔を出すから、つい相談する」
「こっちを向いてくれているし」
すべてバイヤーにとって都合の良い話だ。実態として、こういったサプライヤーとビジネスを継続すること自体、問題にはならないというか、必ずこういう理由で存在する大手のサプライヤーってどこにでもいるものである。サプライヤー選定って、いつも聞かせている無理への代償で与えるもの?いつも顔を出せる理由は?そこへ発生するコストは?こっちにしか向けないかもしれないんじゃないの?そんな、バイヤーにとっては少し耳の痛いことをだから、慣例的にアンタッチャブルになるのだ。
そんなどこにでもある馴れ合い的な関係にメスを入れるのが今回の新しい指標。他の会社にしてみれば、いまさら・・・・・・なんて思う内容もあるかもしれない。でも、その評価指標に魂が入っているか?そこが問題である。そして、この程度の話が日本を代表する経済新聞の記事になってしまう現状、資材調達、購買部門がおかれた実態を考えずにはいられない。これはナントカしないといけないと思っている。