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集中化の裏になにがあるのか
集中購買は、何をどのように集中させるかがカギ。
●サプライヤーを集中する
●購入対象品を集中させる
●購入時期を集中する
●購入場所を集中する
●購入量を集中する
集中購買を行なう際は、集中することで生まれるメリットを探し、メリットの存在をサプライヤーと共有した上で、サプライヤー側に生まれるメリットを価格を下げる形でバイヤー企業に戻してもらわなければなりません。
集中を実現させるためには、サプライヤーへの働きかけと同時に、バイヤー企業内での集中化をサポート、あるいは主体的に集中させる取り組みが不可欠。コストダウンの取り組みのすべてに言えることですが、サプライヤーに一方的に「集中しろ」と言うだけでは、実現しないし、コストダウンも得ることはできないのです。
そして集中には、デメリットもあります。
サプライヤーを集中させたら、競合できなくなります。したがって、集中購買には、集中させた結果、購入できるか価格の妥当性を、複数のサプライヤーを競合させた結果無しに証明できる術をバイヤーが持っていなければなりません。集中した瞬間は、サプライヤーにも販売量の増加で、メリットが生じます。しかし、段々とそのメリットにも慣れ、集中した結果生まれるデメリットが顕在化する場合があります。したがって、集中購買とは、維持継続のためのプロセスマネジメントも大きな課題です。
サプライヤーを絞って集中化した場合、あぶれたサプライヤーへの取り組みは、とても重要です。なぜなら、集中化を行なった瞬間から、次なる分散化への準備を開始して、集中化したサプライヤーへの牽制を行なわないと、購入条件の維持と、より良い条件設定への取り組みが難しくなるためです。
言葉では「集中」=まとめるだけで、簡単な取り組みと思われがちです。しかし、まとめる価値があるほどに分散している状態も、それなりの経緯があるはずです。それを集中させ、よりよい購入条件を引き出すためには、調達購買部門の主体的な取り組みによるサプライヤーのマネジメントが不可欠なのです。