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韓国産の自動車部品は「もっとも信頼できる」のか
衝撃的なニュースといってもいいだろう。先日、韓国で開催された「国際輸送機械部品産業展(Global TransporTech)」におけるアンケートのことだ。そのイベントにはフォルクスワーゲンやベンツ等の世界大手自動車メーカー250社のバイヤー300人が参加したようだ。
そのアンケートは、大手の海外調達状況について、ならびに韓国の自動車部品メーカーについて聞いている「海外部品の輸入を促進する」‥‥‥この結果は驚に値しない。しかし、問題は韓国と日本の自動車部品メーカーに対する感触の違いである。大手自動車メーカーのバイヤーたちは、「もっとも信頼できる自動車部品調達先」として「韓国」と答えたという。それは「日本」という回答を大きく引き離している。
もちろん、これにはいくつかの留保が必要だろう。
・そもそも韓国で実施されているイベントのため、その国寄りの回答になってしまいがちになる
・韓国に実際に来ているバイヤーたちなので、韓国に優位な回答になってしまう
・日本円と韓国ウォンがEUROに対する為替は一定ではない
という留保を必要としたとしても、韓国と日本のメーカーの違いが鮮明に出てしまった結果のように思われる。これまで「ものづくり大国」を標榜してきたはずの日本は、いつの間にか韓国に追い抜かれてしまったというわけだ。
これは韓国が日本を差し置いて(良い意味で「差し置いて」と表現している)原子力発電設備を受注したことからも明らかである。日本のものづくりは、いつの間にか韓国の背中を見る立場になってしまった。
おそらく、韓国の優位さには日本製造業者のOBが大量に流れていることにもあるだろう。品質のプロが日本から韓国に流れれば、当然韓国の製品の品質はあがる。そして、国民教育もそうだ。国民教育は国民国家の戦略が色濃く反映する。韓国の教育は一人ひとりの労働者に、かつての日本がそうだったように、愛国・愛社的な影響を与えている。日本の現状と比べて、会社の実力に差がつくのは当然だろう。
この結果を前に私たちはどうしたら良いだろう。それを考えることは単に国際競争力の構築、などという言葉で終わらせることのできない、一つの宿題なのである。