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5日目①
売ることよりも買うことの方が簡単だとは限らない
今ものすごい量の「売る技術」に関する書籍が出回っている。マーケティング関
係の本もあわせて考えれば莫大だ。確かに、これまで「売る」という側面が企業の
利益の責任を持つかのように思われてきた。売上が伸びなければ社員に払うお金す
らないのだから当然である。個人商店の場合も、日々の業務をまわすためには売上
が必要なのだ。それに外資系企業などであれば、売上に比して社員の給料も増加す
るから分かりやすい尺度ではある。
しかし、だ。現状の企業の倒産を見て欲しい。多くの企業が売上を高く保ったま
ま倒産しているのだ。黒字倒産というのもある。もちろんこれはキャッシュフロー
の問題や、資金繰りの問題もある。だけど、言っておきたいのは、「売上が伸びても
儲からんこともある」ということだ。逆に「売上が変わらなくても、仕入れ費を削
減することで利益を伸ばしているところがある」という事実である。
売上と仕入れは両輪である。どちらかがパンクしてしまっては、車輪全体の動き
に支障が出る。だから、売上ばかりに注目しないで、仕入れの側にも注目してみま
しょう、と言いたいのだ。「売りの技術は儲けの技術」の次は「買いの技術は儲けの
技術」という時代がやってきている。トヨタを見て欲しい。歴代の社長は調達部門
出身者が多い。世界のトヨタは調達(=仕入れ)の重要さに気づいているのである。
これまでは「売りの技術」を学べる機会はたくさんあれど、「買いの技術」を学ぶ機
会はなかった。