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5日目②
「売りの技術」は日々進化しており、言葉は悪いが詐欺的方法にまで発展している
(失礼)。ワントゥワンマーケティングからコールドリーディングを応用した営業テク
ニックなどなど。世の中は多種多様に深化してしまっている。「買いの技術」を高め
ることは、それらの対抗策となり、一方的に拡大してきた売り側の論理に水を差す
一手となるものだ。
多くの人は合理的な判断ができない
あなた一人だけで仕入れ先を決めるわけではないとする。最終的に仕入れ先を決
定する時に、上司や他部門に判断を仰ぐがなければならない場合だ。例えばメーカ
ーであれば設計者だったり、中小企業や小売業でも上司や他の関係者に意見を聞か
なければならない時があるだろう。
その時こういう経験がないだろうか。自分が推薦しようとしている企業は、品質
が良い。さらに安い。でも認められない。こういうことが。これは何故だろうか。
この購買基準を明確にしようと、いまさまざまな試みがなされている。企業全体で
各部門から集まって購入企業先を決めたり、いろいろなデータを集めたりすること
で、総合的に判断しようとするものだ。
しかしながら、この試みもやはり結果は恣意的なものに終わらざるを得ない。な
ぜなら得点をつけるという行為は、どうしてもその人その人の好みに左右されてし
まうのだ。伝統的な経済理論では、ほぼ同じ製品が二つあるとして、安い方は高い
ほうよりもより需要が見込まれるとされている。私から言わせればこれはまったく
の嘘である。あなたが仕入れ担当者としてはがゆい思いをしているのはまさにここ
に違いない。