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5日目④
じゃあそれに引っかからないためにはどうしたいか。簡単である。その逆をすれ
ばいいのだ。いいトレーニングは、自分が買おうとしている取引先の製品を他社が
売っていたらどうだろうかと自問することである。あるいは、社内の人に相談する
ときは、会社名と製品を例えば逆さまにして、提案してみる。
A社の
Bという製品と、
C社の
Dという製品があるとして、
A社の
D、C社の
Bという風に。
出来る限り人間関係や先入観というものを排除した形で、購入先を決定してみる。
上記はもちろん極論である。取引関係や商品購入後のさまざまな制約もあるだろ
う。しかし考えてみれば考えるほど、取引関係は結局のところさほど重要ではない
ことが多い。何にもその製品を購入・使用する際に重要にならないことが多い。今
まで大事に思っていたことが、実はたいしたことはないということが多いにしてあ
り得るのだ。人間関係が思い込みを優先させない購入ができるだけで、少なくとも
何割かの仕入れ費は浮く。
ちなみに、ある企業では購入先を決定する際に、必ず下記の文言を自分の中で繰
り返すことを必須としているという。非常に学ぶべきことが多い。
(1)自分の携わっている製品のお客様は誰だろうか?
→そのお客様にベストなものを提供できるように購入先を考えよう。
(2)お客様は世界のどこに存在しているのだろうか?
→関係企業だからといって、ターゲット顧客から地理的に離れたところから購
入しようとしていないだろうか。物流費を考えてベストな購入先を選択できて
いるか確認しよう。
(3)製品のターゲットコストはいくらだろうか?
→成り行きで購入するのはやめよう。
(4)そのターゲットコストを達成するためにどうしたらよいだろうか?
→これまでの常識だけで考えていないだろうか?もっと安くできる手段を見
過ごしていないだろうか。
(5)自社の製品のシェアはどれくらい獲得できるだろうか?
→そのシェアに見合ったコストや調達構造を考えよう。
(6)旧来の製品と比べて、今回の製品はどのような強みを持っているだろうか?
→その強みをより増すような購入品を考えよう。
(7)今回の製品にはどの程度の品質が求められているだろうか?
→過剰な品質を要求しない。過剰な品質を売りにしている企業には耳を貸さな
い。
(8)今回の購入品のどの程度が戦略的取引先から購入できているだろうか?
→長期的に見てメリットのある購入先を決定できているだろうか?短期的に
しか考えられなくなっていれば見直そう。
(9)特殊なものを購入しようとしていないだろうか?
→目新しいものをむやみに購入しようとしてはいないか。本当に必要なものだ
けを購入しよう。
頭のよさと仕入れ・購買の上手さは比例しない